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  ニュース     2021/11/19 18:00

アリババ7〜9月期は調整後39%減益、売上高ガイダンス下方修正(詳報) 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が18日引け後に発表した第2四半期(2021年7〜9月)決算は、売上高が前年同期比29%増の2006億9000万人民元(約3兆5930億円)に伸びたものの、純利益は81%減の53億6700万人民元に縮小した。保有する上場企業株の評価損を計上したほか、戦略分野への投資などが響いた格好。特殊要因を除く調整後の純利益(非GAAP)も39%減の285億2400万人民元に下向いた。同希薄化後EPSは1.40人民元だった。

 売上高、調整後純利益ともに市場予想を下回った。調整後EBITDA(利払い・税・償却前利益)も27%減の348億4000万人民元と低迷。前述のように、戦略分野への投資や出店企業への支援措置が響いた。戦略分野には、低価格ECの「淘特(旧名称:淘宝特価版)」、生活サービス、社区コマースなどが含まれる。これらへの投資要因を除くと、コマース事業の利益は安定成長した。

 売上高の増加については、中国小売事業、クラウド事業の貢献が大きい。また、ハイパーマーケットチェーンの高キン零售(サンアート・リテール・グループ:6808/HK)を買収したことも寄与した。同買収の影響を除くと増収率は16%となる。

 部門別の売上高は、主力のコマースが31%増の1711億7000万人民元に伸長。うちEコマースサイトの「淘宝網(タオバオ)」や「天猫(Tモール)」を含む中国小売事業が33%増の1268億2700万人民元を売り上げた。同部門の商品取扱高(GMV)は1ケタの伸びとなっている。また、「阿里雲(アリババ・クラウド)」を擁するクラウド部門の売上高は33%増の200億700万人民元と高成長。初めて200億人民元の大台に乗せた。

 21年9月中間期の業績は、売上高が前年同期比32%増の4064億3000万人民元、純利益が34%減の純利益:505億800万人民元という結果。グループ全体の年間アクティブ消費者数(21年9月まで12カ月間)は12億4000万人となり、6月まで12カ月間との比較で6200万人増加した。うち中国の消費者が9億5300万人、海外の消費者が2億8500万人を占める。

 同社は併せて、22年3月通期の売上高が前年比20〜23%増となる見通しを示した。従来予想の9300億人民元(前年比30%増)を下方修正した形。一部メディアによると、この増収率は14年の米上場後で最低となる。


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