【亜州ビジネス編集部】オンラインゲーム中国大手の網易（ネットイース：9999/HK）が今週23日に予定していた注目ゲームの国内リリースを延期すると発表したことを受け、香港マーケットでの同社株価は20日に前日比6.7％安と大きく下落した。その背景について、英紙フィナンシャル・タイムズ（FT）は20日、SNS「微博（ウェイボ）」上での「敏感」な内容の投稿が原因となった可能性を報じている。

　国内配信が延期になったゲームは「ディアブロ イモータル（暗黒破壊神：不朽）」。同ゲームはネットイースと米アクティビジョン・ブリザードが共同開発したもので、中国と東南アジア以外では今月2日付ですでにリリースされている。配信開始から2週間で2400万米ドル（約32億円）の売り上げを記録する好調ぶりで、中国国内でのリリースにも期待が高まっていた。

　FTによると、「ディアブロ イモータル」の微博公式アカウントに先月投稿された内容について、習近平・国家主席を揶揄したものとして中国当局の逆鱗に触れた可能性があるという。同アカウントに5月22日付で「熊怎麼還不下台…（なぜクマは退陣しないのか…）」と投稿されたことが、インターネット上に出回ったスクリーンショットで判明した。スクリーンショットでは、投稿者のIPアドレスは「米国」となっているという。

　「ディアブロ イモータル」の微博公式アカウントは現在、規定違反があったとして新規投稿を禁止されている。ネットイースはこれまでに、配信延期の理由や新たな配信開始日を明らかにしていない。ネット上では、同ゲームの「版号」（ゲーム配信に必要な許可番号）を撤回され、国内で配信できなくなる可能性も指摘されている。


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