【亜州ビジネス編集部】電子機器の受託製造サービス（EMS）世界最大手の台湾・鴻海精密工業（ホンハイ・プレシジョン・インダストリー：2317/TW）は2022年6月、第2四半期、上半期の連結売上高がいずれも同期の過去最高を更新した。第3四半期も前年同期比での大幅成長を予測している。通年の業績見通し引き上げも表明した。

　前月比5.7％減ながらも、6月の売上高は5261億9600万台湾ドル（約2兆4100億円）で同月として過去最高を記録している。「クラウドネットワーク製品」「コンピューター末端製品」「デバイスとその他製品」がいずれも前期比で2桁成長し、同社の予測を上回った。前年同月比では「消費者スマート製品」を含む4大製品群が全て2桁成長している。

　第2四半期売上高は前期比7.2％増、前年同期比11.3％増の1兆5100億台湾ドル。サーバー市場の旺盛な需要に支えられて「クラウドネットワーク製品」が前期比2桁の成長を達成した。3月にタブレット端末新製品の発表があった「コンピューター末端製品」と、「消費者スマート製品」が共に前期比で成長した。

　上半期売上高は前年同期比8.1％増の2兆9100億台湾ドル。「クラウドネットワーク製品」の2桁増をはじめ4大製品群が全て成長した。　

　第3四半期の見通しについては慎重ながらも楽観しているが、インフレ状況には密接な注意を払わなければならないと表明した。前年同期比で大幅成長が見込めるとしている。

　証券会社は、鴻海はアップル（AAPL/NSADAQ）の「iPhone」の受託生産最大手であり、同社の強気見通しはiPhone新機種の需要が引き続き強いことを示すとの見方を示した。先週メディアで報じられた発注削減観測を打ち消すことにも貢献するとも指摘した。


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