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  ニュース     2021/11/17 18:00

中国:ロボ業界で投融資が活発化、10年間で総額2.69兆円規模 無料記事

 中国でもロボット産業向け投融資が再び活発化している。「高仙機器人(Gaussian Robotics)」ブランドで業務清掃ロボット事業を展開する高仙自動化科技発展有限公司は10日、シリーズCラウンドの増資で12億人民元(約215億円)を新たに調達したと発表した。直近1年間だけで3回も資本増強を繰り返している。工人日報が16日付で伝えた。
 掃除ロボット分野だけでも、1〜10月にかけた中国の投融資が10件を超えている。ほぼ毎月、新たなブランドが1000万人民元規模の事業資金を手にした。AIホームロボット企業の浙江遠弗科技有限公司(Trifo)は9月21日、シリーズC1ラウンドで数億人民元を調達。由利深セン科技有限公司(UONI)は7月19日、シリーズAラウンドで5000万人民元を得た。広東楽生智能科技有限公司は6月15日、シリーズAラウンドで数千万人民元を確保している。中国都市部の掃除ロボット家庭普及率は8%未満。中国の都市化率が45.68%に拡大した点を踏まえれば、市場の成長余地は計り知れないほど大きいだろう。
 中国のロボット事業向けの投融資は、2011年から今年までに3000件近くも報告された。これらの資金は、累計で1500億人民元(約2兆6900億円)を超えている。
 中国のロボット関連企業は、足元で全国31万社超に上る。今年1〜10月の投融資は299件を数えた。うち253件はシリーズCラウンド以前の増資事例。79件は金額が1億人民元以上となっている。
 産業用ロボット、サービスロボット、特殊ロボットの需要は拡大が必至だ。人件費の高騰が続くなか、単調な作業はAGV(無人搬送車)やプレスロボット、パレタイジングロボット、配膳ロボットに置き換えられていくだろう。また、特殊ロボットのうち手術支援ロボットだけでも、中国の潜在的な市場規模が年間136億人民元に達すると分析された。保守的な見積もりでも、75億人民元に上ると試算されている。
 中国電子学会が今年9月に発表した「中国機器人産業発展報告(2021年) 」によると、21年の中国ロボット市場は、839億人民元(約1兆5020億円)まで拡大する見通し。内訳は、産業用ロボット445億7000万人民元(コロナの影響のない19年比で18.8%増)、サービスロボット302億6000万人民元、特殊ロボット90億7000万人民元が想定される。2016〜23年にかけた中国ロボ市場の成長率は、年率平均18.3%に上る見通しだ。21年の世界全体ロボット市場は365億1000万米ドル(約4兆1620億円)を想定している。
 同学会は、23年にかけて医療、教育、公共サービスなどの各分野でサービスロボの普及が進むと期待。災害や天候、安全などの各分野では、特殊ロボの導入が本格化すると予測した。23年の市場規模は、サービスロボで600億人民元超、特殊ロボで180億人民元超に上るとみている。


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