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  ニュース     2021/12/07 18:00

EVバッテリー中韓競争、中国勢が成長力でリード 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】電気自動車(EV)バッテリー市場における中国と韓国の競争で、中国企業が成長スピードで韓国企業を引き離している。米国自動車メーカーとの提携を進める韓国勢に対し、政府の補助金と税優遇を基盤に勢力を拡大させる中国企業は、大部分が世界平均を上回る成長率をたたき出している。ビジネスコリアが6日報じた。
 韓国のエネルギー市場専門の調査会社、SNEリサーチによると、2021年1〜10月の世界80カ国におけるEVバッテリー搭載量は静電容量べースで216.2GWh(2億1620万kWh)に達し、前年同期比で2.2倍に拡大した。
 上位企業10社の搭載実績は、首位の寧徳時代新能源科技(CATL:300750/SZ)が67.5GWh(シェア31.2%)、2位LGエナジーソリューションが45.8GWh(同21.2%)だった。以下、◆パナソニックの25.8GWh(13.2%)、◆比亜迪(BYD:1211/HK)の18.4GWh(8.5%)、◆SKオンの12.6GWh(5.8%)、◆サムスンSDIの10.0GWh(4.6%)、◆中航リ電(CALB、リは金へんに里)の6.0GWh(2.8%)、◆合肥国軒高科動力能源(国軒高科:002074/SZ)の4.6GWh(2.1%)、◆遠景動力(エンビジョンAESC)の3.2GWh(1.5%)、◆蜂巣能源科技有限公司(SVOLTエナジー・テクノロジー)の2.1GWh(1.0%)──と続いた。内訳は中国企業6社、韓国企業3社、日本企業1社で、日本企業で唯一ランクインしているパナソニックはシェアを落とした。
 中国勢は高い成長率が目立つ。上位10社のうち前年同期比成長率の最高は、SVOLTで9.9倍。BYDは3倍、CATLは2.9倍、CALBと国軒は2.8倍だった。これに対し韓国勢はSKオンが2.2倍、LGエナジーソリューションが2倍、サムスンSDIが63.6%増で推移している。
 LGエナジーソリューションはテスラ(TSLA/NASDAQ)の中国製「モデルY」、フォルクスワーゲンの「ID.4」、フォード・マスタングの「マッハE」の好調で恩恵を受けた。SKオンは現代自動車の「アイオニック5」や起亜自動車の「Kia Niro EV」「Kia EV6」の好調にけん引された。サムスンSDIは、フォルクスワーゲンの「e-Golf」の不振によって成長率がそがれている。


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