【亜州ビジネス編集部】UBSエコノミストの張寧氏は最新リポートで、中国の2021年10〜12月期の国内総生産（GDP）成長率が前年同期比で2.7％に減速するとの見通しを示した。1〜3月期の18.3％、4〜6月期の7.9％、7〜9月期の4.9％からさらに鈍化する見込み。国内での新型コロナウイルス流行再拡大を受け、各種の行動規制が実施されていることが影響すると分析した。香港経済日報など複数メディアが5日までに伝えた。

　張氏によると、近く発表される10月の経済指標では、小売売上高や輸出の伸びが減速する見通し。不動産の新規着工、販売、投資についても9月に比べて弱い数字になるとの見方を示した。

　張氏はまた、景気の下振れ圧力が強まる中、中国政府が10〜12月期および22年に財政政策を強化すると予想。具体的には、「専項債」（公益事業向け資金調達を行う特別地方債）発行ペースの加速、地方インフラプロジェクトの審査加速などを見込んでいる。

　なお、1〜9月の累計GDP成長率は前年同期比で9.8％だった。中国政府は21年のGDP成長率目標について、「6％以上」との目標を掲げている。


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