中国銀行保険監督管理委員会（銀保監会）は5日、電力供給を確保し、景気の安定を維持するため、石炭火力発電、石炭、鉄鋼、非鉄金属などの生産企業に対して金融面での支援を行うよう、銀行や保険会社に指示する通知を発表した。これら企業の資金需要を満たし、優先的に貸し出しを審査・実行するよう求めている。

　電力需要が一段と増える今冬から来春にかけて、電力とその燃料となる石炭の供給を確保する狙い。特に山西、陝西、内モンゴル、新疆などの石炭主産地に対する金融支援を強化し、発電用石炭の供給を確保したい考えだ。

　一方で、銀行や保険会社の保有する資金、または理財商品などが石炭や鉄鋼、非鉄金属などの商品市場で投機的行為を行うことを禁止すると通達。また、法人や消費者向けの銀行融資がマオタイ酒、プーアル茶など高級消費財への投機的行為に利用されることのないよう、管理を強化することを求めた。

　中国の電力不足については、◆各地方政府が年末に向けて、エネルギー消費抑制目標の達成に懸命になっていること、◆石炭価格の高騰、石炭輸入量の減少により電力供給が縮小していること、◆水力発電量が減少していること――などが背景。一方で、製造業や輸出が回復するに伴って電力需要は拡大しており、需給バランスが悪化している。

　さらに香港経済日報（6日付）によると、石炭の出産地である山西省では最近、大雨被害が発生。炭鉱27カ所が生産停止を強いられているという。


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