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  ニュース     2019/04/01 19:07

中国:日立電梯「スマート化」で昇降機リード、AIoTで点検 無料記事

 「スマート化」の波は、中国エレベーター(昇降機)業界にも押し寄せている。日立製作所(6501/東証)は中国エレベーター事業に関し、「スマート化」と「デジタル化」にいち早く着手した代表的企業。人工知能(AI)とIoT(モノのインターネット)を融合させた「AIoT」の活用分野で、業界を一歩リードしているという。21世紀経済報道が1日付で伝えた。
 現地法人の日立電梯中国有限公司(Hitachi Elevator China)は、エレベーターの生産、保守点検の各プロセスでスマート化を実現。早期の段階でIoTを活用した工場デジタル化に成功した。足元では、受注から設計、部品買付、生産、保守までの全製品ライフサイクルに関して、デジタル化のサービスを実現。効率化と安全性を両立させた。
 保守点検の分野では、IoTプラットフォームを構築。ビッグデータを収集した上で、エレベーター保守やビル管理に関するソリューションを提供している。ビッグデータを活用したクラウドサービスセンターを創設。各エレベーターを24時間態勢で遠隔管理しながら、AIが過去の稼働データや保守履歴などのビッグデータを解析する。故障する前にエレベーターをメンテナンスして、事故リスクを減らす管理ソリューションを独自開発した。エレベーターの全部品に二次元コードを取り付けて追跡管理できる体制も整えている。
 中国のエレベーター需要は、今後も右肩上がりの拡大が見込める。2019年の政府活動報告では、古い住宅ビルへのエレベーター設置を推進する政策方針が示された。加えて更新需要も巨大だ。日立電梯中国の賈宇輝・総裁は以前に、「旧住宅へのエレベーター設置と旧式エレベーターの更新需要は、中国の新たな“ブルーオーシャン”。足元で300万台分の開拓余地が存在する」と語っている。
 中国は世界最大のエレベーター生産・消費国。中国のエレベーター生産は、すでに世界シェア7割の規模にある。中国エレベーター協会の統計によれば、中国のエレベーター保有台数は16年末時点で490万台に達した。賈総裁は「17年末には560万台を突破した。向こう5〜8年後には世界全体の40〜50%を占める800万台にまで拡大する」との見方を披露している。
 日立電梯中国はこれまで一貫して、中国エレベーター業界のトップ集団に位置。18年は195億人民元(約3220億円)を売り上げた。


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