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  ニュース     2019/04/01 19:07

中国:「夜景整備」世界最大市場に、20年は1.6兆円規模 無料記事

 「夜間ライトアップ経済」が中国で脚光を浴びている。先進テクノロジーを駆使した光の演出は、「夜間経済(ナイトタイムエコノミー)」の活性化を後押し。現地経済に確実な成長効果をもたらしてきた。今年予定される建国70周年イベントや大型国際イベントは、中国各都市の「ライトアップ経済」を一段とけん引していくと期待されている。21世紀経済報道が1日付で伝えた。

 夜間景観整備の領域で、すでに中国は世界最大マーケットに躍進している。研究機関の高工産研リ電研究所(GGII)によると、世界の景観ライトアップ市場は19年に2750億人民元まで拡大する見通し。うち中国は前年比約22%増の680億人民元に成長。2020年には1000億人民元(約1兆6600億円)に迫る規模へ膨張すると展望された。

 中国で「ライトアップ」特需が注目され始めたのは、3年前の16年。「第9回BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)首脳会合」を翌年に控え、開催地の福建省アモイ市は、都市景観整備に30億人民元を投入。通常は2000万〜8000万人民元で“大口”と言われる照明設置工事業界に“けた外れ”の大規模受注をもたらした。以降、浙江省杭州市の「G20サミット首脳会議」、山東省青島市の「上海協力機構(SCO)首脳会議」、広東省深セン市の「改革開放40周年記念式典」、上海市の「第1回・中国国際輸入博覧会(CIIE2018)」など重要イベントの開催を機に、各地方政府が夜間景観整備に巨資を投入。それによる経済効果を着実に得てきた。

 中国の都市化率も「ライトアップ経済」の成長を促している。都市化建設に欠かせない「新興開発区」には、景観照明によるイメージ作りが最も重視されるため。中国ではすでに国内19カ所が国家級新区の指定を受けた。さらに19年は最低でも9カ所の都市新区が国家級新区に格上げされるとみられる。夜間景観整備事業は急ピッチな発展期を迎えた。

 中国の都市化率は07年の45.89%から16年の57.36%と、過去10年で11.47ポイント拡大した。「国家新型都市化計画」では、20年の都市化率60%到達が明示されている。


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