ニュース 2023/05/24 12:04
中国:「AI顔置換」で特殊詐欺、企業経営者が8400万円被害
リスク管理・社会
【亜州ビジネス編集部】人工知能(AI)技術の発展を背景に、同技術を使った特殊詐欺が中国で増加している。福建省福州市ではこのほど、AI顔置換(フェイススワップ)技術を悪用した「なりすまし」により、わずか10分でハイテク企業の経営者が430万人民元(約8400万円)を詐取されるという事件が発生した。毎日経済新聞が22日付で伝えた。
福州市でハイテク企業を経営する郭さんは今年4月、親しい友人と「微信(ウィーチャット)」を使って通話していた。その中で友人から「市外に住む知人が福州市の公共プロジェクトに入札したいと言っている」という話を持ちかけられた。入札ルールでは福州市で登記する企業名義で保証金を納付する必要があり、「まずは知人から郭さん宛てに送金し、その後、郭さんの会社の名義で納付してほしい」と頼まれた。郭さんは普段から信頼している友人の頼みということで、通話を終えた後、送金を確認することなく430万人民元を保証金納付先の口座に振り込んだ。
郭さんがその友人に手続き完了の連絡を入れると、友人は事情が分からない様子だった。郭さんはそこで、詐欺被害に遭ったことに気づいたという。
特殊詐欺に詳しい専門家によると、最近のAI技術によってフェイススワップや音声合成が簡単にできるようになっており、これが詐欺に悪用されるケースが増えている。通信相手に合成動画を見せつつ、音声も加工することで、「なりすまし度」が100%に近づいてきているという。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
福州市でハイテク企業を経営する郭さんは今年4月、親しい友人と「微信(ウィーチャット)」を使って通話していた。その中で友人から「市外に住む知人が福州市の公共プロジェクトに入札したいと言っている」という話を持ちかけられた。入札ルールでは福州市で登記する企業名義で保証金を納付する必要があり、「まずは知人から郭さん宛てに送金し、その後、郭さんの会社の名義で納付してほしい」と頼まれた。郭さんは普段から信頼している友人の頼みということで、通話を終えた後、送金を確認することなく430万人民元を保証金納付先の口座に振り込んだ。
郭さんがその友人に手続き完了の連絡を入れると、友人は事情が分からない様子だった。郭さんはそこで、詐欺被害に遭ったことに気づいたという。
特殊詐欺に詳しい専門家によると、最近のAI技術によってフェイススワップや音声合成が簡単にできるようになっており、これが詐欺に悪用されるケースが増えている。通信相手に合成動画を見せつつ、音声も加工することで、「なりすまし度」が100%に近づいてきているという。
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