阿里巴巴集団HD（アリババ・グループ・ホールディング：9988/HK）創業者の馬雲（ジャック・マー）氏の姿が、次はオーストラリアで確認された。中国のインターネット上で、笑みをたたえた馬氏が現地のある一家と写した集合写真が拡散されている。この一家は馬氏の「人生を変えた」友人とその家族だという。香港経済日報など複数メディアが19日伝えた。
　1980年、当時16歳だった馬氏は杭州市の西湖のほとりで、中国を旅行中のケン・モーリー氏、息子のデビッド氏と出会った。馬氏は当時、英語上達のために西湖に通っては、無料の観光ガイドを行っていたという。馬氏とモーリー親子はこれをきっかけに文通仲間となった。
　馬氏から届く手紙をケン氏は丁寧に添削し、馬氏の英語習得をサポートした。そして5年後、馬氏はケン氏の誘いでオーストラリアを訪問。中国人にとって海外旅行はまだ珍しい時代、馬氏にとってもこれが初の海外訪問となった。その後もモーリー親子は馬氏と交流を続け、馬氏の大学生時代にはオーストラリアから半年ごとに少額の小切手を送るなど、ささやかながら経済的支援を行ったという。ケン氏は2004年に亡くなったが、馬氏は現在もデビッド氏との親交を続けている。
　なお、アント・グループの新規株式公開（IPO）が中国当局によって阻止された20年11月以降、馬氏は一時影を潜めていたが、昨年から活動を積極化させている。昨年末に東京滞在が報じられた後、年初にはタイ・バンコクでの目撃情報が明らかとなった。直近では香港を訪れ、金融・ビジネス界の重鎮と会談したとの情報が伝わっている。


内容についてのお問い合わせは＜info@ashuir.com＞まで。