【亜州ビジネス編集部】中国のスポーツ用品大手、李寧（リーニン：2331/HK）が発表した2022年冬物コレクションを巡り、現地のインターネット上で「デザインや色が旧日本軍の軍服に似ている」として批判の声が上がっている問題で、会社側はこのほど、謝罪コメントを発表した。「製品のデザインやスタイリングによって、混乱や疑念を招いたことを心から謝罪する」としている。香港紙・信報が19日伝えた。
　李寧は問題のデザインについて、「飛行」をテーマとし、パイロットの装備からインスピレーションを得たものと説明。特に議論を呼んだ帽子に関しては、中国古代の兜を参考にデザインされたものとした。その上で、消費者の貴重な意見に心から感謝するとともに、消費者に広く認められる製品づくりを目指す方針と強調している。現在、李寧の「微博（ウェイボ）」公式アカウント上では、当該製品の画像が削除されているという。
　今回の騒動では、冬物コレクションとして発表されたカーキ色のジャケットや帽子が炎上のきっかけとなった。「旧日本軍の軍服を連想させる」と指摘され、一部のネットユーザーは、李寧の共同CEO（最高経営責任者）である高坂武史氏が日本に帰化した華人である点を騒動に結び付け、批判する声も上がっている。また、李寧が中国の伝統的な要素と現代のトレンドを組み合わせた「国潮（グオチャオ）」のトレンドを積極的に推進していたことも、騒動を一段と大きくする要因となった。


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