【亜州ビジネス編集部】珍しい姓を持つ雲南省にある少数民族村の全村民がこのほど、一斉に改姓したとして話題を集めている。少数民族が改姓に踏み切った背景には、苗字を「漢字入力できない」など、切実な理由があるという。南国早報が26日付で伝えた。
　村民全員が改姓したとされるのは、雲南省麗江市永勝県にあるリス族の村。村民は古来、鳥を崇拝してきた一族の末裔で、リス語で「nia」と発音する姓を名乗ってきた。民族文字（新中国成立後に制定されたラテン文字）を使わない場合は、漢字で「鳥」と「甲」をたてに並べた文字をあてていた。ただこの文字は一般的な漢字でないことからパソコンで入力できず、村民はさまざまな手続きで不便を感じていたという。そこで今回、同じ要素を使った「鴨（ya）」という姓に変更した格好だ。ただ、読み方も変わってしまったため、元の姓に戻したいと考える村民も少なくないという。
　中国には「入力できない」珍しい姓を持つ人が一部におり、こうした人々の間では不便さを解消するために改姓するケースが少なくない。
　リス族出身の文化研究者、朱麗凡氏は、「文化的背景のある珍しい姓を引き継いでいくため、こうした文字がパソコンでも入力できるようになることを望む」と話した。



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