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  ニュース     2023/02/24 13:42

中国:電池回収需要が急拡大、27年市場は2.54兆円規模へ 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】需給のひっ迫を背景に、複数の中国企業が動力電池からのリチウム資源回収に乗り出す。直近だけでも、浙江南都電源動力(Narada Power Source:300068/SZ)、天奇自動化工程(Miracle Automation Engineering:002009.SZ)、寧徳時代新能源科技(CATL:300750/SZ)が事業計画を相次ぎ披露した。動力電池の耐用年数は一般的に5〜8年間とされる。証券日報が24日付で伝えた。
 電池生産の南都電源動力は2月21日、「リチウム電池グリーン回収総合利用事業プロジェクト」を展開すると発表。子会社の安徽南都華ハク新材料科技有限公司を通じ、年産能力15万トンの電池処理施設を建設すると説明した。投資額38億5000万人民元(約751億円)を見込む。
  物流システム開発の天奇自動化は、蜂巣能源科技(SVOLT Energy)と共同で電池回収企業を立ち上げると発表。退役動力電池の有効利用に取り組む方針を打ち出した。
 電池世界最大手の寧徳時代は1月30日、グループ企業の広東邦普循環科技が新素材工業団地を建設すると報告。電池回収、電池素材生産に着手すると説明した。広東省仏山市に総額238億人民元を投資する。
 電池大手の合肥国軒高科動力能源(国軒高科:002074/SZ)は1月7日、年産能力50GWh(5000万kW)の動力電池工場を新たに整備すると発表した。50GWh相当の電池を毎年回収する。フル稼働時の年産額約110億人民元を想定した。
 業界団体の中国汽車動力電池産業創新聯盟によると、中国国内の動力電池車載量は、2017年が36.4GWh、18年が56.9GWh、19年が62.2GWh、20年が63.6GWh、21年が154.5GWh、22年が294.6GWhに拡大している。調査会社の高工産業研究院(GGII)は、毎年回収される退役電池に関し、25年時点で137.4GWhに達すると試算。重量ベースで96万トンに上るとの見方を示した。
 専門家によると、中国の動力電池回収市場は、2023〜27年にかけた成長率が年率平均で29%に上る見込み。27年時点で1300億人民元(約2兆5400億円)規模に膨らむと試算されるという。


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