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  ニュース     2023/03/14 14:45

中国:半導体人材の争奪戦激化、IC設計で年間賃金100万元超えも 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】設計分野を中心とした半導体人材の争奪戦が中国でも激化している。中国大手求人サイト智聯招聘(zhaopin.com)が実施した直近の調査によれば、人材募集時の賃金提示額で職種別の中国首位と2位は、半導体チップ技術者と人工知能(AI)技術者。それぞれ月額賃金が2万8422人民元(約55万4200円)と2万5148人民元にまで高まっている。毎日経済新聞が14日付で伝えた。

 半導体チップ技術者のなかでも、集積回路(IC)設計が最も高賃金となっている。年間賃金が100万人民元を超える人材募集もみられるようになった。

 公開された資料では、IC関連学科の大学院修士課程修了者には、21年時点で年間賃金40万人民元が提示されている。人材不足問題が最も深刻なIC設計者では、職歴5年以上で上述の通り100万人民元で募集された。最近の資料では、IC設計者の月額賃金は全国平均で3万1000人民元に上る。3万〜5万人民元が全体の54.9%を占めた。

 深セン市内に拠点を構えたあるIC設計企業によると、かつて年間賃金40万人民元で人材が獲得できたものの、今や昔。足元では、120万人民元の提示額でも人材が集まらないほど、人件費の高騰が目立つ状況という。

 これは、国策的な半導体産業の振興と無縁でない。中国の半導体業界では、空前の起業ブームに沸いている。特にIC設計企業の新設数は、ほぼ右肩上がりだ。各年の起業数は、2010年が582社、11年が534社、12年が569社、13年が632社、14年が681社、15年が736社、16年が1362社、17年が1380社、18年が1698社、19年が1780社、20年が2218社、21年が2810社、22年が3243社を記録している。

 ファウンドリ世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC:2330/TW)でさえ、人材募集に懸命。長期的な技術開発需要を満たすために、6000人以上の大量募集を先ごろ始動した。うち修士課程修了者には、年間給与200万台湾ドル(約880万円)を提示している。


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