【亜州ビジネス編集部】自動車の電動化政策を掲げたアラブ首長国連邦（UAE）に対し、多数の中国車メーカーが商機拡大のチャンスを伺っている。中国勢は新エネルギー自動車（NEV）で豊富な経験を蓄積した。すでに各社が電気自動車（EV）製品を持ち込んでいる。中国共産党系の環球時報が20日付で伝えた。

　中国第一汽車集団傘下の「紅旗」ブランドは、ドバイ警察にEVを納車している。浙江吉利控股集団有限公司（吉利汽車HD：175/HKの親会社）系の商用車ブランド「遠程」は、UAEの企業とNEV1000台の売買契約を交わした。比亜迪(BYD：1211/HK)は今年6月21日、SUV製品の「元 PLUS（ATTO 3）」を現地で発売。高温環境下の走行試験も終えている。

　一方、アブダビ首長国政府系投資ファンドのCYVNホールディングスは6月12日、蔚来集団（NIO：9866/HK）に戦略出資したと正式発表。クラスA株の新株を総額7億3850万米ドル（約1028億円）で8469万5543株購入したと説明した。発行済み株式総数の7.00％を保有する。

　UAEの内閣は国のEV普及策を最近承認。2050年までの目標として、輸送部門のエネルギー消費を40％、炭素排出量を1000万トンずつ削減するよう求めた。UAEの公道では、2050年までに自動車の半数がNEVに転換される見込みという。

　UAE政府は政府機関の車20％をEVに切り替え完了した。UAE住民の6割は自家用車に関し、ハイブリッド自動車（HEV）やEVへの切り替えを検討しているという。


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