【亜州ビジネス編集部】阿里巴巴集団HD（アリババ・グループ・ホールディング：9988/HK）創業者の馬雲（ジャック・マー）氏が東京に半年近く滞在しているもようだ。英フィナンシャル・タイムズ（FT）が11月29日付で報じたもの。馬氏は2年前に当局に対する批判的な発言を行って以降、公の場にほとんど姿を見せていない。

　馬氏を知る関係者によると、同氏は家族と一緒に日本に滞在。地方の温泉地やスキー場にも足を運んでいるという。この間、米国やイスラエルも定期的に訪問しているようだ。

　東京滞在中に馬氏は、専属シェフと警備員を同行させ、公の場での活動は最小限にとどめているもよう。東京での馬氏の社交活動の場は、銀座と丸の内の会員制高級クラブ。銀座の高級クラブは、東京に定住または長期定在している中国人富裕層の社交場になっているという。

　このほか、馬氏は日本滞在中の時間を利用し、アリババの中核となる電子商取引（Eコマース）以外での、持続可能性な分野へとビジネス上の興味を広げたとされる。

　中国当局と対立して以降、馬氏はスペインやオランダなどさまざまな国で目撃されている。中国で過ごす時間が少ないということは、馬氏が中国の厳しい新型コロナウイルス検疫や政治的な問題を回避していることを意味するとFT紙は指摘している。


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