【亜州ビジネス編集部】中国の人工知能（AI）産業年産額は、2022年に5000億人民元の大台を突破した。企業の総数は4300社を超えている。上海市で6日開幕した「2023世界人工知能大会（WAIC）」で報告された内容として、中国政府系メディアが伝えた。

　AI基礎インフラの整備が進むなか、「東数西算」国家プロジェクトの成果も表れデータセンターの演算能力は世界2位の規模に拡大している。5G通信の基地局数も国内280万基を上回った。合計2500カ所以上のデジタル生産ライン、スマート工場が稼働している。AI技術を活用した製造業のグレードアップを通じ、研究・開発期間の20.7％短縮化、生産効率の34.8％向上、不良品比率の27.4％引き下げ、単位当たり二酸化炭素（CO2）排出量の21.2％削減などを達成した。

　AI技術のブレークスルーが訪れたことで、スマート生産時代の到来が加速する見込み。実体経済と融合し、産業の大規模化、ビジネスモデルの刷新を実現する。中国は企業の育成、安全保障の強化を推進する戦略だ。

　WAICの開催スケジュールは7月6〜8日。上海市政府や科学技術部などが共催し、出展企業は400社を上回る。うち著名なベンチャー企業は50社を超え、30種以上の新製品が展示された。

　中国信息通信研究院（工業情報化部電信研究院）によると、22年の中国AI中核産業年産額は、前年比18％増の全国5080億人民元規模に膨らんでいる。社会や経済の発展に向けて、多様な領域に応用された。科学技術を活かした異業種進出、産業構造のグレードアップ、生産効率の引き上げなどを達成したという。

　全世界のAI論文数は、2012年〜22年9月にかけて合計100万本を上回っている。うち28％は中国の研究者が記した。全体に占めるハイレベルAI論文比率は、中国で12年の20.36％から21年の50.71％に急拡大している。AIに関する世界の特許約25万件のうち、中国人研究者は60％を取得した。


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