【亜州ビジネス編集部】声優（ボイスアクター）の女性が自身の声を無断で人工知能（AI）による音声生成ツールに使用・販売されたとして、アプリ業者などに謝罪と損害賠償を求めた訴訟で、北京インターネット裁判所は23日、原告の主張を認め、被告側に対し、書面での謝罪と25万人民元（約537万円）の賠償金支払いを命じる一審判決を言い渡した。AI音声をめぐる権利侵害を認定した中国初の判例となった。毎日経済新聞などが24日までに伝えた。

　報道によると、この女性は知人から自身の声がAIの音声生成ツールに使われ、あるアプリ上で販売されていることを把握した。

　被告のアプリ制作業者は、女性の声をソフトウエア会社から合法的に取得したと説明。さらにこのソフト会社は映像制作会社から仕入れたものとし、いずれも権利侵害を否定した。また、この映像制作会社は原告の女性を声優として起用したことがあり、録音した作品の著作権は自社にあると主張した。

　一方、録音した声の二次的な使用については原告の許可をとっていなかったことから、裁判ではAI音声としての無断使用が原告の声の人格権を侵害したと認定した。


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