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  ニュース     2024/01/10 15:00

台湾有事で世界経済損失10兆ドルも、コロナ禍超え=外電 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】13日の台湾総統選を前に、市場では「台湾有事」リスクへの注目度が高まっている。ブルームバーグ・エコミクスの推計によると、台湾海峡で戦争が勃発した場合、世界全体でGDPの10%に相当する約10兆米ドル(約1450兆円)の経済損失が発生する見通し。これは新型コロナウイルス禍やロシア・ウクライナ戦争、世界金融危機による影響を大幅に上回る規模だ。
 ブルームバーグ・エコミクスは9日に発表したリポートで、2つの想定シナリオに基づいて世界経済への影響を試算。第1のシナリオは「中国が台湾に侵攻し、米国を戦争に引き込む」、第2は「中国の封鎖により、台湾と世界の貿易が寸断される」というものだ。
 第1のシナリオでは、台湾経済が大きな打撃を受け、初年度にそのGDPの40%程度が失われると予想している。一方で中国は、主要貿易先との関係が悪化し、先進半導体を入手することが困難になると指摘。GDPは初年度に16.7%の打撃を受けるとみている。また米国では、アジアの電子製品サプライチェーンに依存するアップルなどが影響を受け、初年度にGDPが6.7%減少すると予測。韓国、日本なども影響を受け、世界全体では初年度にGDPが10.2%低下するとみている。
 第2のシナリオでは、台湾のGDPが初年度に12.2%減少すると予想。ほか中国は8.9%、米国は3.3%、世界全体で5%のGDP目減りが見込まれるとした。第1の戦争シナリオに比べて影響が小さい理由については、アジアでの海運の混乱、金融市場へのインパクトが相対的に小さくなる点を挙げている。


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