中国の北京と上海で新型コロナウイルスの感染者が増えており、感染拡大の第3波が始まったとの見方が強まっている。上海公衆衛生臨床センターの凌雲・副主任は、9月以降はインフルエンザの流行期に入るため、新型コロナと同時の感染拡大により、致死率が上昇する恐れがあると指摘した。複数の現地メディアが伝えた。

　北京疾病対策予防センターによると、8月7〜13日（第32週）に確認された呼吸器感染症の患者は6205人で、新型コロナの感染者が中心。第30〜32週の3週間で、北京の呼吸器感染症患者の前週比の増加率は5.3％、20.6％、71.6％と拡大している。

　これまで専門家は、コロナの感染ピークを今年11月とみていた。ただ、感染拡大は予想より早く始まっており、今後1カ月以内にピークを迎える見通しという。

　上海の各医療機関でも、外来患者に占める新型コロナ感染者の割合が10〜15％増えた。ただ、重症者は増えていない。凌副主任は高齢者や子ども、医療従事者に対し、インフルエンザの予防接種を受けるよう呼び掛けている。

　なお、現在中国で流行中の新型コロナウイルスは、オミクロン変異株の派生型「EG.5.1」が主流。報告された感染者数の35％を占める。


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