生物由来燃料「バイオディーゼル」の需要が世界的に拡大している。中国国内の年産量は、足元で200万トンを上回った。欧州を中心に、うち9割を海外輸出している。一方、欧州連合（EU）域内ではバイオディーゼルの消費が伸び、その海外輸入依存度は8割を超えた。また、EUが輸入するバイオディーゼルのうち6割（2023年、約180万トン、23億米ドル相当）は中国から供給されている。経済日報などが3日付で伝えた。

　中国のバイオディーゼル業界は、発展の新たな機会を迎えている。すでに製品、技術、設備の全方面で国際的な先進レベルに達した。国内には大量の廃棄油脂という潜在的な資源が存在し、原料も比較的に豊富。バイオディーゼルの増産に有利な条件が整っている。

　EUは早くも2009年に「欧州再生可能エネルギー指令」を施行した。交通分野のバイオ燃料混合比率に関し、20年までに10％、30年までに14％に高めるよう求めている。強制的な混合政策の導入を通じ、バイオディーゼルの需要は供給を常に上回ってきた。

　ただ、中国のバイオディーゼル業界はグローバルな視点で複数の逆風に直面している。最も顕著な問題は、EUによる中国製バイオディーゼルに対する反ダンピング措置だ。EUは8月16日、中国産バイオディーゼルに対して12.8～36.4％の暫定反ダンピング関税を課すと裁定している。これは中国のバイオディーゼル業界に一定の影響を与える見込みだ。

　多数の中国企業は、すでに対策を講じている。嘉澳環保はこのほど、今回のEUによる一時的な関税引き上げが自社のバイオディーゼル輸出に一定の影響を及ぼすとの見方を示した。現在はバイオプラスチック製品にまで加工する計画がある。バイオディーゼル国内市場の開拓も積極的に進めると説明した。竜岩卓越新能源は海外進出を加速する方針。シンガポールやサウジアラビアなどの海外市場で事業プロジェクトを進める計画という。

　中国の国家能源局は今年4月、「バイオディーゼル普及応用試験プロジェクトに関する通知」を公布。22件の応用試験プロジェクトを指定し、バイオディーゼルの普及と応用を進めると通知した。


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