【亜州ビジネス編集部】中国では近年、国産アニメの人気が高まり、現在公開中の映画「ナタ之魔童閙海（Ne Zha 2）」が記録的なヒットとなっている。こうしたなか、アニメ業界で働くことを目指す若者をターゲットにした「アニメ資格詐欺」が増えているようだ。「必ず資格を取ることができる」「有名講師が指導する」「就職先を紹介する」といった謳い文句で勧誘するのが手口だという。揚子晩報が19日付で伝えた。

　甘粛省に住む20歳の曹さんは子どものころからのアニメファンで、今も漫画を描き続けている。ある日、「必ず合格するCGアニメ講座」の広告が目にとまった。5988人民元（約12万円）の受講料を支払えば、アニメ関連スキルの全てが身につけられるというもの。試験に合格すれば、就職先も紹介してくれるという。曹さんはすぐに受講料を振り込んだ。

　しかし、チラシに書かれていたようなサービスは提供されず、就職や副業の機会もなかった。曹さんが返金を求めても運営側は一切応じず、裁判になってようやく、受講料の一部を回収できた。

　こうしたアニメ資格詐欺の共通の手口として挙げられるのが、オンライン授業やライブ配信などを売りにした誇大広告だ。多くの若者が「短期間の研修でアニメ制作のスキルを身につけ、すぐに稼げる」と錯覚し、その結果、時間とお金を無駄にしている。

　業界関係者は、アニメ制作には絵画の基礎や豊富な創造力、技術への深い理解が必要と説明。「宣伝を鵜呑みにするのは危険」と注意を呼びかけている。


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