【亜州ビジネス編集部】中国で生成AI（人工知能）の利用が拡大する中、音楽業界での活用が注目されている。音楽コンテンツの自動生成、作詞・作曲アシスタントのほか、素材に応じたBGMを自動生成するなど、エンターテイメント産業のデジタル化を力強く後押ししている格好だ。経済日報が5日付で伝えた。

　中国では足元で、音楽産業とAIの融合が進んでいる。あるデータによると、音楽生成ツールの国内利用率は35％に達し、デジタル音楽市場に150億人民元（約3230億円）以上の新たな付加価値をもたらしている。

　騰訊音楽娯楽集団（テンセント・ミュージック・エンターテインメント・グループ：1698/HK）の「AI作曲家」プロジェクトでは、生成AIを活用して自動生成された数千曲が映像作品や広告など多分野で広く使用されている。また、音楽業界のプロの間では、生成AIを創作のための補助ツールとして活用する動きが広がっており、音楽制作の効率を大幅に向上させている。

　こうした成果の背景には、政策面での支援もある。「文化産業発展計画（第14次5カ年計画）」では、AIと文化創作との融合を進める方針が盛り込まれた。「デジタル文化産業の革新発展を推進するための指導意見」では、ハイテク技術によるデジタル文化コンテンツの品質向上、表現方式の多様化などを進めるとの目標が提示された。


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