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  ニュース     2017/05/24 12:17

小鵬汽車が「自動運転車」開発加速、中国版GPS「北斗」活用 無料記事

 広州市に拠点を置く電気自動車(EV)ベンチャーの広州小鵬汽車科技有限公司(小鵬汽車)は23日、通信機器メーカーの広州海格通信集団(002465/SZ)と事業提携すると発表した。広州海格は、中国が独自開発した衛星測位システム「北斗衛星導航系統(GNSS)」の端末製品開発で国内をリードする企業。同社とパートナーシップを組むことで、自動運転技術の開発を加速させる構えという。盖世汽車が23日付で伝えた。

 2社は、高精度衛星測位サービス、ダイナミックマップ(高精度地図)、HCI(ヒューマン・コンピューター・インタラクティブ)エンジンなどの分野で踏み込んだ技術提携を行っていくことで合意。小鵬汽車は「北斗衛星システム」を活用する中国第1号の自動車企業となる。

 小鵬汽車の創始者メンバーである何涛・副総裁は、「高精度衛星測位システムは自動運転技術の重要構成部分。ダイナミックマップをベースにした各種技術と車載スマート設備を融合させることで、将来のスマート運転はより安全な技術へと進化する」と断言した。

 2014年設立の小鵬汽車は、当初50人規模の技術者チームでスタート。そのメンバーには、広州汽車、比亜迪(BYD)、フォード、BMW、デルファイなど内外自動車・部品メーカー、アリババ、テンセント、サムスン、華為通信などの大手IT企業出身者が名を連ねた。

 自動運転技術の確立に向けて、中国はトップダウン方式で開発を推進する方針だ。政府の委託を受けて、自動車設計技師で組織される「中国自動車工程学会(SAE-China)」は16年10月、自動運転技術に関するロードマップを発表。2021〜25年までに高度な自動運転システムを備えた自動車、または完全自動運転車の市販を実現すると予告した。25年には自動運転システム搭載車の新車比率を15%に高める目標が示されている。2026〜30年には全車両に自動運転機能、または運転アシストシステムを標準装備することを盛り込んだ。

 自動運転技術の区分は4つ。運転手が全ての主制御系統を操作する「レベル0」、加速、操舵、制動のいずれかをシステムが補助する「レベル1」、加速、操舵、制動のうち複数をシステムが補助する「レベル2」、加速、操舵、制動の全システムが補助し、必要に応じてドライバーが対応する「レベル3」、完全自動走行を実現する「レベル4」に分けられる。


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