【亜州ビジネス編集部】 中国各地で鍾乳洞がごみ捨て場として使われたり、鍾乳石が売買目的で採取されるなど、環境破壊が深刻化していることが分かった。中国政府系メディアが4日付で報じた。

　環境破壊が確認された鍾乳洞は、湖南省慈利県や永順県、貴州省畢節市などに点在する。貴州省ヒツ節市七星関区の鍾乳洞では、住民が家庭ごみなどを持ち込んでおり、内部には10トンを超えるごみが堆積。下流の河川ではアンモニア態窒素やリンの濃度が国家基準を上回っている。区の検察院は地元当局に対し、鍾乳洞内のごみの撤去を求めた。

　一方、国内の一部インターネット通販サイトでは、鍾乳石を使った装飾品が販売されており、価格は数十人民元（1人民元＝約20円）から高額なものでは100万人民元（約2000万円）に上る例もある。

　中国では「地質遺跡保護管理規定」により、カルスト地形などの特異な地質景観について「重大な研究や鑑賞の価値があるものは保護すべき」と定めている。ただ、鍾乳洞の利用に関する認可手続きや基準は地域によって異なり、管理の不徹底が課題となっている。



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