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  ニュース     2025/10/09 12:23 NEW!!

中国:レアアース輸出規制強化、技術移転など厳格化 無料記事

【亜州ビジネス編集部】中国がレアアース関連技術の海外輸出規制を強化する。商務部の産業安全・貿易管制局は9日、中国原産レアアースの採掘、製錬分離、金属製錬、磁性材料、または二次資源の回収・利用に関する技術の輸出に許可制を導入すると通知した。国家の安全と利益の維持を優先する。「中華人民共和国輸出管制法」や「中華人民共和国デュアルユース輸出管制条例」などの関連規定に基づき、国務院の承認を経て正式決定した。

 大量破壊兵器とその運搬手段の設計、開発、生産、使用、テロリズム目的、軍事用途、または軍事的潜在力の向上を抑止する狙い。レアアース生産ラインの組立、試運転、保守、修理、アップグレードなどの技術にも適用する。

 「磁性材料製造」技術とは、サマリウム・コバルト、ネオジム・鉄・ホウ素、セリウムの磁性材料製造プロセスを指す。設計図、仕様、プロセスパラメータ、加工プログラム、シミュレーションデータなど技術に関連する資料などのデータも含む。

 輸出とは、本公告に列挙した管制対象を中国領内から境外に移転すること、または境内と境外で外国の組織、または個人に提供することを指す。貿易取引の輸出だけでなく、知的財産ライセンス、投資、交流、寄贈、展示、陳列、検査、試験、援助、共同研究開発、雇用または被雇用、コンサルティングなどいかなる方法による移転・提供も含む。

 規制対象外の貨物、技術、またはサービスであっても、輸出経営者がそれが海外レアアースの採掘、製錬分離、金属製錬、磁性材料製造、レアアース二次資源の回収・利用活動に用いられる、または実質的に寄与することを知っている場合、商務部にデュアルユース製品の輸出許可を事前に申請しなければならない。許可を受けずに提供してはならないと定めた。

 海外の軍事ユーザー向けの輸出申請、輸出管理の規制・監視リストに記載された輸入業者と最終ユーザー(株式50%以上を支配する子会社、支社などの支部機構を含む)への輸出申請は、原則として許可しない。

 一方、最終用途が14ナノメートル以下のロジックICチップ、または256層以上のメモリーチップの研究開発、生産設備、試験設備、素材、または潜在的な軍事用途を有する人工知能(AI)の研究開発である輸出申請については、個別審査とする。

 最終用途が緊急医療、公衆衛生上の突発事態への対応、自然災害の救援など人道支援目的の輸出申請については、海外の輸出経営者はデュアルユース品輸出許可証の申請を要しない。ただし遅くとも輸出後10営業日以内に電子メールを通じて中国商務部(jingwaibaogao@mofcom.gov.cn)に報告し、その輸出品が中国の国家安全と利益を害する用途に用いられないことを誓約しなければならない。

 海外の特定輸出経営者がデュアルユース品輸出許可を申請する場合、「デュアルユース品輸出管理条例」第16条と「商務部デュアルユース品輸出許可審査システム」の要件に従って関係書類を提出しなければならない。関係書類は中国語を正本とする。

 中国商務部は今年4月4日、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ルテチウム、スカンジウム、イットリウムのレアアース(希土類)7種類を輸出規制リストに追加すると発表し、即日発効させた。


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