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  ニュース     2025/05/12 13:14 NEW!!

中国:侵襲式BMIの階梯医療、思念でゲーム操作実現 無料記事

【亜州ビジネス編集部】侵襲式ブレインマシンインターフェース(Brain-Machine Interface: BMI)システムの臨床試験が中国でスタートした。フレキシブル電極などを開発する上海階梯医療科技有限公司(StairMed)は8日、被験者が大脳に植え込んだBMIを利用する「プロスペクティブスタディ」(前向き研究)の動画を公開。ゲーム「マリオカート」をプレイする様子を披露している。澎湃新聞が12日付で伝えた。

 高圧感電事故で四肢を失った被験者は、今年3月に階梯医療が開発したフレキシブル電極2本とデバイスを植え込んでいる。脳信号を無線送信し、外部装置が操作意図に変換。1か月あまりの訓練を通じ、思念操作によるレースや将棋のゲームを可能とした。イーロン・マスク氏が設立した米ニューラリンクに続き、階梯医療は世界2社目の臨床段階に進んだ侵入式BCI企業となる。

 階梯医療は今年、BMI分野で中国最高額の増資を実施した。今年2月10日、シリーズB1ラウンドの資本増強を通じ、総額3億5000万人民元(約70億7000円)を新たに調達したと発表。脳活動を人工知能(AI)技術で解読して、考えただけで機器を操作することを可能にすると説明した。製品の臨床試験スケジュールを加速し、次世代技術開発や医療グレードMEMS生産基地の建設に充てる。BMI技術の商業化に向けた推進力とする計画だ。

 人間の脳と外部装置を直接接続するBMI技術は、信号の取得方法によって侵襲式、半侵襲式、非侵襲式の三種類に大別される。2021年8月に発足した階梯医療は、医療機器基準を満たす中国初のハイデータレートの埋め込み型(侵襲式)BMIシステムを開発した。神経電極技術の面で、階梯医療は超柔軟電極を採用し、太さが頭髪の1/100、米ニューラリンクの1/5に過ぎない。特に柔軟性に関しては、ニューラリンク製品より数百倍高いとされる。脳組織にとって電極が“異物”と感じにくい利点を備えている。


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