詳細
検索
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル 亜州リサーチ公式X 亜州リサーチ公式Instagram

  ニュース     2025/08/26 11:11

複数ブローカーが中国株バブル否定、「上値余地残る」見方 無料記事

【亜州ビジネス編集部】中国株のバブル懸念に対し、複数の証券ブローカーが否定的な見方を示している。うち野村は、オンショア、オフショアを問わず中国株には依然として上昇余地があり、複数指標に基づくと「バブル」との見方は時期尚早だと指摘した。HSBCグローバル・リサーチも最新リポートで、上海総合指数に上値余地が残ると分析している。香港メディアの信報が26日付で伝えた。

 25日の中国本土マーケットでは、主要指標の上海総合指数が前営業日比57.80ポイント(1.51%)高の3883.56ポイントと4日続伸。約10年ぶりの高値水準を連日で切り上げている。売買代金は上海、深セン両証券取引所で計3兆1000億人民元(約64兆770億円)に達し、過去2番目の高水準を記録した。香港マーケットでもハンセン指数が前営業日比490.77ポイント(1.94%)高の25829.91ポイントで引け、3年10カ月ぶりの高値水準を回復している。

 野村はリポートで、中国株がマクロ環境の逆風や企業業績の成長鈍化にもかかわらず上昇し続けている要因について、米中関係の安定化にあると指摘。中国株に対する投資家の信頼感が高まっており、流動性の増加と相まって中国株にとってのプラス要因になっていると分析した。

 さらに野村は、複数指標を見ても「中国株がバブルに近づいているとは言えない」と強調。まず「売買回転率(trading velocity)」が2015年のA株バブル期を下回っていること、次に「信用取引残高のA株時価総額比」も15~16年のピーク時を下回っていることを挙げた。加えて、オンショア、オフショア市場を問わず中国株の時価総額が依然として過去の高水準を大きく下回っていることに言及している。

 その上で野村は、中国株に対する強気の見方を維持。米中関係が安定している限り、中国株への資金流入は続き、上昇基調が持続するとみている。

 一方、HSBCグローバル・リサーチはリポートで、中国の個人投資家と機関投資家が足元の流動性を支えており、これが株価上昇の原動力になっていると指摘。A株流動性の潤沢さ、中国のイノベーション力の向上、「内巻」(過当競争)是正による企業業績圧力の緩和などを理由に、上海総合指数の2025年末目標値を4000ポイントに引き上げた。25日終値に対して3%の上昇余地がある計算となる。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース