ニュース 2025/07/09 14:54
中国:介護職に若者増加傾向、人材不足は50年に3000万人超え 
労働 リスク管理・社会 産業・企業
【亜州ビジネス編集部】 高齢化が急ピッチに進行する中国では、介護人材の不足が顕在化している。国家統計局によると、2024年末時点で60歳以上の人口は約3億1000万人に達し、全体の22%を占めた。50年には介護人材の不足が3000万人を超えると試算されている。北京商報が8日付で伝えた。
これまで介護職は「人の世話をする仕事」という社会的な偏見もあり、賃金水準も比較的低かったものの、近年は若年層の参入が進みつつある。北京市内では「90後(1990年代生まれ)」「00後(2000年代生まれ)」の職員が約3割を占める施設もみられた。月収1万人民元(約20万5000円)を得る若者もいる。
こうした若年層の参入は、介護サービスの質向上にもつながりそうだ。中国企業資本聯盟の柏文喜・副理事長は「若者は教育水準が高く、新技術への適応力もある。高齢者のニーズが生存型から発展型へとシフトする中、心理的ケアやリハビリなどの個別対応で若者の役割は大きい」と指摘する。
一方、介護職の供給が需要に追いついていない背景には、過酷な労働条件、低賃金、社会的偏見、昇進制度の不透明さなどがある。全国の介護職従事者が19年時点で約30万人にとどまるなか、22年末までに200万人の育成を目指すという計画が打ち出された。ただ、足元の不足数はさらに拡大し、1000万人を超えたとされる。
こうした状況を受けて、民政部など12部門は24年1月、「介護技能等級制度」の導入方針を発表した。介護職の専門性を可視化し、職業としての認知度向上と待遇改善を図る狙いがある。
さらに、介護サービスの持続的な発展には、老年層の購買力向上も不可欠だ。銀髪経済(高齢者向け市場)を内需拡大と結びつける政策も進められている。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
これまで介護職は「人の世話をする仕事」という社会的な偏見もあり、賃金水準も比較的低かったものの、近年は若年層の参入が進みつつある。北京市内では「90後(1990年代生まれ)」「00後(2000年代生まれ)」の職員が約3割を占める施設もみられた。月収1万人民元(約20万5000円)を得る若者もいる。
こうした若年層の参入は、介護サービスの質向上にもつながりそうだ。中国企業資本聯盟の柏文喜・副理事長は「若者は教育水準が高く、新技術への適応力もある。高齢者のニーズが生存型から発展型へとシフトする中、心理的ケアやリハビリなどの個別対応で若者の役割は大きい」と指摘する。
一方、介護職の供給が需要に追いついていない背景には、過酷な労働条件、低賃金、社会的偏見、昇進制度の不透明さなどがある。全国の介護職従事者が19年時点で約30万人にとどまるなか、22年末までに200万人の育成を目指すという計画が打ち出された。ただ、足元の不足数はさらに拡大し、1000万人を超えたとされる。
こうした状況を受けて、民政部など12部門は24年1月、「介護技能等級制度」の導入方針を発表した。介護職の専門性を可視化し、職業としての認知度向上と待遇改善を図る狙いがある。
さらに、介護サービスの持続的な発展には、老年層の購買力向上も不可欠だ。銀髪経済(高齢者向け市場)を内需拡大と結びつける政策も進められている。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。