ニュース 2025/10/27 14:05
中国製薬会社に海外資本が出資、新薬開発で国際提携加速 
産業・企業
中国の製薬会社が2025年10月以降、新薬開発を巡り海外企業との提携を相次いで発表している。中国企業が開発中の新薬に海外企業が出資し、海外での販売権などを取得するケースが多い。中国経済網が24日付で報じた。
最近では創薬ベンチャーの信達生物製薬(イノベント・バイオロジックス:1801/HK)が今月22日、武田薬品工業(4502/東証)と戦略的提携関係を締結した。信達の次世代IO(がん免疫療法)、ADC(抗体薬物複合体)療法の開発を加速させ、共同でグローバル市場における価値拡大を目指す。また、信達は武田薬品の全額出資子会社に対して新株を割り当てる。
両社は共同で、腫瘍を狙い撃ちする次世代IO「IBI363」を開発し、米国での商業化を目指す。また、信達は武田薬品に対し、「IBI363」のグレーターチャイナ・米国以外での商業化権利を付与する。さらに信達は武田薬品に対し、胃がんや膵がんを狙う高精度ADC療法「IBI343」のグレーターチャイナ以外での独占権を付与する。
信達は契約時一時金(アップフロント)として12億米ドル(約1820億円)を得る予定で、うち1億米ドルは武田薬品による新株取得を通じた戦略的投資として受け取る。信達はまた、最大102億米ドルのマイルストーン収入を受け取る権利を持ち、一連の取引総額は最大で114億米ドルに達する可能性がある。
江蘇省拠点の製薬会社、翰森製薬集団(ハンソー・ファーマシューティカル・グループ:3692/HK)は17日、スイス同業ロシュの子会社とライセンス契約を締結した。翰森製薬が開発した抗がん剤「HS-20110」について、ロシュに中国本土、香港、マカオ、台湾を除く全世界での独占的ライセンスを付与する。契約時一時金(アップフロント)として8000万米ドル(約120億円)を受け取るほか、開発の進ちょくに応じて最大14億5000万米ドルのマイルストーン収入を得る見込みだ。
ほかにもバイオ医薬の南京維立志博生物科技(ナンジン・リーズ・バイオラボズ:9887/HK)やインスリン大手の甘李薬業(ガン・アンド・リー・ファーマシューティカルズ:603087/SH)などが海外企業との提携を発表している。うち甘李薬業は今年9月、ブラジルのオズワルド・クルス財団バイオ・マングイーニョス、現地企業BIOMM S.A.と「技術移転・供給契約」と「供給に関するフレームワーク契約」を締結した。履行期間は最長10年に及ぶ。ブラジルの公的医療システムで基礎インスリン需要の60%をカバーする見込みだ。契約額は少なくとも30億人民元(約630億円)に上る。
こうした提携の動きが相次ぐ背景には、双方の戦略的な思惑がある。証券アナリストによれば、中国の製薬会社は新薬開発に積極的で、世界的な競争力を高めており、海外企業にとって魅力的な提携先となっている。一方、海外の大手製薬会社は主力製品の特許切れによる減収を補うため、開発コストを抑えつつ有望な新薬を取り込む動きを強めているという。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
最近では創薬ベンチャーの信達生物製薬(イノベント・バイオロジックス:1801/HK)が今月22日、武田薬品工業(4502/東証)と戦略的提携関係を締結した。信達の次世代IO(がん免疫療法)、ADC(抗体薬物複合体)療法の開発を加速させ、共同でグローバル市場における価値拡大を目指す。また、信達は武田薬品の全額出資子会社に対して新株を割り当てる。
両社は共同で、腫瘍を狙い撃ちする次世代IO「IBI363」を開発し、米国での商業化を目指す。また、信達は武田薬品に対し、「IBI363」のグレーターチャイナ・米国以外での商業化権利を付与する。さらに信達は武田薬品に対し、胃がんや膵がんを狙う高精度ADC療法「IBI343」のグレーターチャイナ以外での独占権を付与する。
信達は契約時一時金(アップフロント)として12億米ドル(約1820億円)を得る予定で、うち1億米ドルは武田薬品による新株取得を通じた戦略的投資として受け取る。信達はまた、最大102億米ドルのマイルストーン収入を受け取る権利を持ち、一連の取引総額は最大で114億米ドルに達する可能性がある。
江蘇省拠点の製薬会社、翰森製薬集団(ハンソー・ファーマシューティカル・グループ:3692/HK)は17日、スイス同業ロシュの子会社とライセンス契約を締結した。翰森製薬が開発した抗がん剤「HS-20110」について、ロシュに中国本土、香港、マカオ、台湾を除く全世界での独占的ライセンスを付与する。契約時一時金(アップフロント)として8000万米ドル(約120億円)を受け取るほか、開発の進ちょくに応じて最大14億5000万米ドルのマイルストーン収入を得る見込みだ。
ほかにもバイオ医薬の南京維立志博生物科技(ナンジン・リーズ・バイオラボズ:9887/HK)やインスリン大手の甘李薬業(ガン・アンド・リー・ファーマシューティカルズ:603087/SH)などが海外企業との提携を発表している。うち甘李薬業は今年9月、ブラジルのオズワルド・クルス財団バイオ・マングイーニョス、現地企業BIOMM S.A.と「技術移転・供給契約」と「供給に関するフレームワーク契約」を締結した。履行期間は最長10年に及ぶ。ブラジルの公的医療システムで基礎インスリン需要の60%をカバーする見込みだ。契約額は少なくとも30億人民元(約630億円)に上る。
こうした提携の動きが相次ぐ背景には、双方の戦略的な思惑がある。証券アナリストによれば、中国の製薬会社は新薬開発に積極的で、世界的な競争力を高めており、海外企業にとって魅力的な提携先となっている。一方、海外の大手製薬会社は主力製品の特許切れによる減収を補うため、開発コストを抑えつつ有望な新薬を取り込む動きを強めているという。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。













