【亜州ビジネス編集部】人工知能（AI）技術搭載人型ロボット開発企業の深セン市優必選科技（UBTech Robotics：9880/HK）は、2億5000万人民元（約51億8000万円）規模の受注をこのほど獲得した。自律的に電池交換する機能を備えた「Walker S2」を主に納入する。中国国内の有力企業との間で、人型ロボット製品とそのソリューションの取引契約を交わした。年内の引き渡し開始を目指す。快科技などが4日に伝えた。

　Walker S2は1年365日、24時間の連続作業を理論上で実現する。リン酸鉄リチウムイオンバッテリー（LiFePO4）電池2本をホットスワップ（活線挿抜）し、本体の背面カメラで充電ステーションを認識して自律換電する仕組みだ。群体知能の「ヒューマノイド群脳ネットワーク2.0（BrainNet 2.0）」、インテリジェントエージェント技術の「Co-Agent」を搭載した。AIの二重循環システムを構築し、単体ロボットによる自律性と複数機による協調性を両立する。

　優必選は比亜迪（BYD）、東風柳汽、吉利汽車、一汽-大衆（VW）青島分公司、アウディ一汽、北汽新能源、富士康、順豊などの大手企業と協力してきた。Walker Sシリーズの産業用人型ロボットは、世界で最も多くの工場の実習に導入されている。

　優必選は大口受注を積み上げている。今年7月には1億人民元近くの契約を交わした。公表されたデータによれば、優必選のWalkerシリーズ人型ロボットは、これまで累計約4億人民元に及ぶ契約を獲得している。その中には約5000万人民元規模の人型ロボット注文（納入済み）も含む。この数字には、今年3月に優必選が北京人形機器人創新中心有限公司と共同発表した等身大サイズの研究教育用人型ロボット「天工行者」の受注分は含まれていない。


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