【亜州ビジネス編集部】中国広東省で、蚊を媒介とする急性ウイルス感染症「チクングニア熱」の感染が再び拡大している。地元当局の発表によると、9月21～27日までの1週間で省内の新規感染者は3153人に達し、うち江門市が2927人を占めた。仏山78人、広州68人、深セン22人、珠海13人など他都市でも感染報告があるが、江門の感染者数が突出している。ただ、重症者や死者は報告されていない。香港メディアの星島日報が伝えた。

　江門ではわずか2週間で感染者数が爆発的に増加した。9月7～13日は26件にとどまっていたが、14～20日は2238件に急増。広東省疾病予防管理センターの康敏・所長は「直近では急速な拡大が抑えられつつあるものの、依然として高水準で推移している」と説明。国慶節・中秋節の大型連休（10月1～8日）を前に人の移動や屋外活動が増えるため、感染拡散のリスクが続くとして警戒を呼びかけている。

　一方、江門市共産党委員会常務委員会は9月26日に緊急会議を開き、蚊の駆除を当面の最重要政治任務とすることを決定。不作為や形だけの対応は厳しく責任を追及するとの方針を打ち出した。同委の陳岸明・書記は「あらゆる手段を講じて蚊の駆除を徹底する必要がある」と強調した。

　江門市政府は9月19日に「3級対応」を発動しており、連休前の感染封じ込めを目標に、政治的にも社会的にも「総力戦」で臨んでいる。


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