【亜州ビジネス編集部】広東省江門市はこのほど、急性ウイルス感染症「チクングニア熱」の沈静化を受け、過度な防疫措置を改める措置を発表した。同市では蚊の駆除を巡り、住民に鍵の提出を求めて立ち入り消毒を行う、同意なしに家へ侵入して植物を撤去する、「蚊の温床になる」として老朽住宅を強制撤去するなどの過剰対応が続発し、住民の反発が高まっていた。複数の中国メディアが伝えた。

　江門市政府はこれを受け、住居や車庫などへの不許可侵入、他人の植物や容器など私有物の処分、営業中の市場での殺虫作業、企業への一律的な消毒強制、防疫名目の経営干渉を明確に禁止した。末端行政機関の職員や関連組織に対しては、科学的かつ秩序ある防疫活動を求めた。

　江門市の新規感染者は1日当たり50人前後に減少し、感染は低水準の散発段階に移行している。同市は今後、法に基づく防疫管理と情報公開を徹底し、市民の生活と安全を両立させる方針を示した。

　市政府関係者は「防疫の目的は市民を守ることであり、行き過ぎた措置は信頼を損なう」と強調。行政対応の是正を通じ、防疫体制の正常化と信頼回復を進める考えを明らかにした。


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