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  ニュース     2025/08/12 12:54

中国:量産接近のeVTOL電源、各メーカーが開発レース 無料記事

【亜州ビジネス編集部】新技術の開発が進展するなか、電動垂直離着陸機(eVTOL)電源の量産化時期が接近している。動力電池メーカーの中創新航科技(CALB:3931/HK)は10日、広州汽車集団(GAC:2238/HK)傘下の広東高域科技有限公司(GOVY)と新たな戦略協力協定を締結したと発表した。eVTOL電源を共同で規格化することなどで合意したという。証券日報が伝えた。

 空飛ぶクルマ開発の広東高域に対し、中創新航はこれまでも高エネルギー密度の動力電池を提供している。広東高域は今年6月、中創新航の動力電池を搭載した「GOVY AirCab」を正式発表した。予約受付開始とともに1000機の意向注文を得ている。7月には試作機の納入が完了した。GOVY AirCabは現在、航空適合性認証の審査段階で、2026年下半期の認証取得、量産、納入を計画している。

 中創新航によると、自社の空モビリティ向け動力電池は、低空移動向けに開発した高ニッケル/シリコン系で、高いエネルギー密度と安全性を兼ね備えた。セルのエネルギー密度は300Wh/kgを超え、6C高速充電にも対応する。第2世代の半固体大円筒電池ではエネルギー密度が350Wh/kgに達した。航空専用電池分野で業界の先頭に立っているという。

 中創新航以外にも、多数の電池大手企業がeVTOL電源分野で一定の成果を得た。寧徳時代新能源科技(CATL:3750/HK)は凝縮体電解質を使用した「凝聚態電池」を発表し、民間電動有人機プロジェクトで共同開発を進めている。すでに欣旺達電子(300207/SZ)はeVTOL専用電池「欣・雲霄1.0」を量産開始した。エネルギー密度320Wh/kg、-30~+60度の広温度範囲での飛行、2000回の充放電サイクルに対応し、過酷な環境下での航空適合性試験も通過している。

調査会社の深セン市高工産業研究有限公司(GGII)によれば、2025年初めから現在までにeVTOL企業が発表した意向注文総数は合計1500機を超えた。受注額の規模も大きい。eVTOL製品向けのリチウム電池需要は、30年時点で30GWhに膨らむ見通しという。


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