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  ニュース     2025/10/23 14:21 NEW!!

香港で「チクングニア熱」初の死亡例、中国訪問歴ある77歳 無料記事

【亜州ビジネス編集部】香港衛生署は22日、慢性疾患を持つ77歳の男性が急性ウイルス感染症「チクングニア熱」を発症し、多臓器不全で死亡したと発表した。男性は中国本土を訪問した後に発症し、香港で確認されたチクングニア熱による初の死亡例となる。複数メディアが伝えた。

 香港政府が同日夜に公表した声明によると、香港では年初来で計42件のチクングニア熱感染者が報告されており、すべて輸入症例とされる。死亡した男性は10月13日に中国本土から香港に戻り、同日に発熱と関節痛を訴えた。翌14日に病院を受診して入院したが、病状が悪化。集中治療室(ICU)に移送された後、チクングニア熱に伴う多臓器不全と診断され、22日に死亡が確認された。

 香港衛生署によると、チクングニア熱による重症化や死亡は極めてまれで、致死率は0.1%未満にとどまる。重篤な合併症は多くの場合、基礎疾患や高齢など患者自身の健康状態に起因するという。特に65歳以上の高齢者、1歳未満の乳幼児、妊婦、慢性疾患(高血圧、糖尿病、心臓病など)を持つ人は、感染後に合併症を起こすリスクが高く、回復にも時間を要する傾向がある。

 世界保健機関(WHO)などのデータによると、2025年初めから9月末までに世界40カ国・地域で計44万5271件の感染と155件の関連死が報告されている。感染は各地に広がり、世界的な流行が続いている。

 チクングニア熱は、ヒトスジシマカやネッタイシマカなどの蚊が媒介する感染症。特効薬はなく、急速で大規模な流行を引き起こしやすい。


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