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  ニュース     2013/07/05 13:50

中国:「親族訪問休暇」は名ばかり、存在知らない企業従業員も 無料記事

 故郷に帰省して年老いた親の様子を見に行かなければ法律違反とみなされる――。中国で7月から施行された高齢者の権益を保障する「老年人権益保障法」は、子が故郷の親を訪ねることを法的に義務付けており、企業労働者が「探親暇(親族訪問休暇)」を取る意欲を高めるとみられた。しかし、サラリーマン族の間ではこの休暇について、「知らない」「申請できる環境にない」「申請したくない」という考えが広がっている。同休暇を申請する権利は法的に認められているものの、多くの人が「減給や無職となるリスクを冒してまでも休暇を申請したくない」との認識を持っている。北京晩報が3日で伝えた。

 中国では1981年に、◆既婚の企業従業員が配偶者を訪ねる、◆未婚の従業員が両親を訪ねる、◆既婚の従業員が両親を訪ねる――という3つの場合において、それぞれ年間30日、年間20日、4年間で20日の休暇を会社に申請できる権利があることを法律で明確化した。だがこの規定は実施される過程でその効力をすぐになくし、各社はさまざまな言い訳を用いて休暇日数を減らし、あるいは同休暇制度を廃止している。

 従業員の間でもこの休暇を取りたがらない人が多い。あるインターネット調査では約9万人の回答者のうち、4割超が「探親暇」について「知らない」と答える一方で、57.17%は「存在は知っているがあえて申請しない」と回答。その理由としては、「強制的な休暇でさえ取れる機会がない」という意見が聞かれた。「休暇を取れば同僚に自分の役職をとられてしまう。20日間も休めば顧客やプロジェクトをほかの人にとられてしまう状況で誰が休みを取るか」とのある従業員の話は、多くの人が「探親暇」を取りたがらない理由として挙げた内容だった。



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