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  ニュース     2019/07/11 08:53

独EV充電連合「HUBJECT」中国上陸、“開放型”照準 無料記事

 世界最大規模に躍進した中国電動車マーケットをにらんだ外資の攻勢は、充電インフラの分野にも及んでいる。BMWやダイムラーなど大手自動車メーカーや部品メーカーの独6社が共同展開する電気自動車(EV)充電サービス「HUBJECT(ハブジェクト)」が中国上陸を決めた。このほど現地の充電施設運営会社と事業提携で合意。中国に公衆向けの開放型充電器3万5000基を新設し、EV使用環境を改善していくことを確認している。汽車之家が10日付で伝えた。

 慢性的な駐車場不足や、不動産管理会社との協力難航などを背景に自家用EV充電器の設置が進んでいないだけに、中国では公衆型充電器の需要が拡大の一途をたどっている。赤字経営が定着していた中国充電サービス業界で、損益分岐点を突破する初ケースがみられたことも外資参入を後押しした背景という。

 充電スタンド運営で中国トップシェアの青島特来電新能源(特来電)は今年3月、業界全体に“吉報”をもたらした。2018年12月期業績を報告し、創業以来初の黒字転換達成を発表している。路線バス、タクシー、ネット配車サービスなどに向けた専用充電施設を一般向けに開放したことで、施設の稼働率が向上。採算が確保できるようになったという。

 中国の統計によれば、EV充電器の設置台数は今年3月現在で合計92万1000台。うち公衆型が38万4000台、自家用が53万7000台を数える。中国の電動車保有台数290万台でみれば、充電器1基当たりで3.17台の充電需要をまかなう計算だ。世界全体でみればトップ水準にあるものの、国家目標である「1:1」到達までの道のりは遠い。

 中国電動汽車充電基礎施設促進連盟の調査によれば、自家用充電器を持たないEVオーナーは、うち24%が「固定駐車場を確保できないため」と回答。残りの大部分は、変圧器の容量不足や安全問題から不動産管理会社から許可が得られなかったためという。

 18年実績の充電スタンド運営上位は、特来電の11万9667基(42%)、国家電網公司の5万6549基(20%)、星星充電の5万2144基(18%)、上汽安悦の1万4277基(5%)、中国普天の1万3908基(5%)など。その他の3万359本(10%)には、比亜迪(BYD:1211/HK)や南方電網、米テスラ(TSLA/NASDAQ)などが含まれる。


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