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  ニュース     2020/01/17 18:59

「スマート製造」レベル指数化、中国TOPは広東省 無料記事

 産業用ロボットやIoT(モノのインターネット)技術を駆使した「スマート製造」に関して、中国各地の導入・発展レベルが初めて指数化された。TOPは広東省。江蘇・浙江エリアや北京も上位に食い込んだ。また長江デルタや珠江デルタと比較して、湖北や湖南など中部エリアは指数が相対的に低く、潜在的な成長力を温存している。21世紀産業研究院が「2019中国智能製造指数(China Intelligent Manufacturing’Index、CIMI)」として発表した。
 製造業のパフォーマンスを向上させる「スマート製造」に関して、中国は一定のファンダメンタルズを擁すると評価。世界をリードする存在となりつつあるものの、地域間で水準にばらつきがある――と総括した。
 そのうち広東省は、産業環境や産業発展レベル、技術サポート、環境対応などの各サブ指標でいずれも上位に入っている。なかでも「中国のシリコンバレー」と称される有数の経済特区である深セン市は、「スマート製造」分野でも際立った存在。「中国スマート製造の手本となる総合力を擁する」と評価した。
 2018年に深セン市の域内総生産(GDP)は前年比7.6%増の2兆4222億人民元(約38兆8609億円)に拡大。うち第二次産業は9.3%増の9962億人民元と、第一次、第三次産業をはるかに上回る急ピッチ成長を続けている。業種別では、「コンピューター・通信・その他電子設備製造業」が成長率14%で最速。次世代情報技術が同市製造業の成長けん引役を担っている実態を浮き彫りにした。
 良好なスマート製造環境は、多くの投資を引き付けている。パソコン大手・聯想集団(レノボ・グループ:992/HK)は19年5月に深センに3億米ドル(約330億円)を投じて新スタイルのスマート工場を整備すると発表した。2〜3年後の完成を目指す。
 一方、「産業環境」のサブ指標でみると、安徽省合肥市が高評価を得ている。北京、上海、広州を追い抜いて「製造拠点を置きやすい都市」と位置づけられた。特許出願件数と研究開発投資額の規模がその根拠となっている。合肥市は人口1万人当たり特許出願件数で、中国大中都市のTOP。GDP1万人民元当たりの研究開発投資額ランキングでも2位につけた。
 このほか、中部中核都市の湖北省武漢市もスマート製造発展の基礎と潜在力が備わっている。製造業が集約している武漢市には、武重集団、華中数控、華工激光などの重点企業が事業拠点を置くほか、スマート関連の重要産業が集積した。さらに武漢市は「現代製造業基地」戦略構想を積極展開中。「世界製造業の上位500社と国内製造業の上位100社に入る実力派企業を集中誘致して、中国中西部の現代製造業基地へと発展する」という壮大な目標を掲げているだけに、スマート製造発展に向けた地力を蓄えているという。


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