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  ニュース     2020/09/08 18:59

中国:鶏肉需給が大幅緩和、ADFの食肉代替需要に一巡感 無料記事

 【亜州ビジネス編集部】中国で鶏肉の需給が大幅にだぶついている。ファストフード各チェーンが消費キャンペーンを相次ぎ打ち出すなか、養鶏・加工業者も販売量が増加しているものの、単価は急ピッチに低下した。アフリカ豚熱の流行で食肉の代替需要が一時期拡大したその反動に見舞われているためという。北京青年報がこのほど伝えた。
 マクドナルドやKFCなどの大手ファストフードチェーンでは、鶏肉を使用したメニューが半額から4割引などで「投げ売り」されているほか、インターネット通販でも冷凍肉1羽が500グラム12人民元(約187円)と、従来の3分の1程度の価格で販売されている。
 食肉用の鶏である「白色レグホン」を養殖・加工する、業界大手の福建聖農発展(002299/SZ)による7月の月次業績では、加工肉の売上高が9億100万人民元と、前年同月比6.62%落ち込んだ。ただし、販売量は8万7800トンと11.76%増えている。7〜8月の売上高と販売量では、業界内で概ね同様の傾向がみられた。
 これらについて、アナリストの分析では、白色レグホンのヒナは輸入に頼っており、家畜伝染病「アフリカ豚コレラ(ADF)」が流行した2018〜19年に輸入量が大幅に増加。豚肉が値上がりした際、価格が安く、生産周期が短い鶏肉が需要を満たしたのが主因だ。いったん増えた需要が鶏肉産業の増産を促し、供給量を増やしたという。足もとでは、同時期に輸入された鶏がちょうど食肉として出回り始めた。供給増は21年ごろまで続く見込みという。
 20年1〜7月の白色レグホンの食肉出荷量は27億8600万羽に拡大した。前年同期比で約3億4000万羽も増えている。


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