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  ニュース     2020/08/24 18:59

産ロボ中国最大手の新松、増資で半導体強化 無料記事

【亜州ビジネス編集部】 産業用ロボット中国最大手、瀋陽新松機器人自動化(SIASUN:300024/SZ)は19日、18億300万人民元(約276億円)を上限とする第三者割当増資の実施を発表した。IC真空式ロボットハンドとクラスターツール、半導体の自動材料搬送システム(AMHS)などへの投資資金獲得と流動資金の補充が目的だ。長江商報などが21日報じた。
 同社が開発した真空式ロボットハンドは、半導体製造装置の北京北方華創微電子装備有限公司や中国科学院微電子研究所が採用。クラスターツールはCMP洗浄、エッチング、コーティングなどの工程で用いられ、小規模のデモ工程での応用が始まっている。AMHSは上海集成電路研発中心やサンディスク、STマイクロエレクトロニクスなどに納入してきた。
 同社は真空式ロボットハンドの国内唯一のサプライヤーで、自主開発したAMHSは独自の生産ラインを設けており、半導体設備の国産化に貢献している。昨年の研究開発(R&D)費用は4億5800万人民元で、前年の2.3倍以上に拡大した。
 中国の半導体設備市場は、2018年段階で131億1000万米ドル(約1兆4300億円)で世界2位。しかし、国産化率は約13%にとどまっている。米国が半導体の対中封鎖を進める中、国内業界のAMHSに対する需要は強い。
 2000年4月設立の新松機器人自動化は、中国科学技術研究院傘下の国策ロボメーカー。17年10月18日、渾南新区に整備した中国最大規模の産業用ロボット生産基地を本格稼働。モノのインターネット(IoT)技術などを導入することで、生産の効率化を実現した。企業本部ビル、産業区、展示センター、研究センターなどで構成。スマート工場として機能する。「中国初のインダストリー4.0生産モデル実践工業区」とされる。「C4ライン」と呼ばれる生産設備では、最大の年産能力が1万5000台に設定された。政府が掲げる産業構造グレードアップ政策「中国製造2025」を推進している。


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