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  ニュース     2020/02/21 18:59

TSMCの5nm生産ライン、立ち上げ当初の第2四半期からフル稼働 無料記事

台湾積体電路製造(TSMC:2330/TW)の回路線幅5ナノメートル(nm)半導体生産ラインは、立ち上げ当初の第2四半期からフル稼働で始動する見込みだ。新型肺炎の感染流行など投資マインドを冷やす逆風が吹いているものの、大口顧客群はそろって当初の計画を堅持。早期の世界最先端プロセス採用を競っている。科技新報などが21日付で伝えた。 

 5nm生産ラインを年内に稼働させる企業は世界でTSMCのみ。アップル(AAPL/NASDAQ)のプロセッサ「A14」、海思半導体(華為技術のIC事業部門)の5Gスマートフォン(スマホ)向けIC、クアルコム(QCOM/NASDAQ)の5Gモデム「Snapdragon X60」とスマホ用チップセット「Snapdragon 865」などハイエンド半導体の生産を相次ぎ受注した。

 ICファウンドリ世界最大手のTSMCは、台湾台南市の南部科学工業園区(南科)に世界最先端の「P3廠」(Fab 18)工場を整備中。投資額は7000億NTドル(約2兆5800億円)近くに上った。5nm製造プロセスの稼働スケジュールは、今年第2四半期を想定している。最大で毎月10万枚の大口径シリコンウェーハを加工。2021年をめどにさらに最先端となる性能強化版「N5Pプロセス」を導入し、集積度をより高める計画だ。

 TSMCは今年通年の設備投資予算を160億米ドル(約1兆7900億円)に引き上げている。うち8割を3nm、5nm、7nmのハイエンド加工分野に投入する方針。南科エリアに研究・開発を集中する。

 3nm工場の建設計画も進展。2018年12月18日、環境アセスメントを通過した。20年上半期の着工、22年末の量産を目指す。P3廠の隣接地に28ヘクタールの土地を確保した。一方、さらに先を行く2nm工場の建設も検討中。25年までに2nmプロセスの量産に乗り出したい意向という。新竹県宝山郷の既存施設(RD工場)の技術者を温存し、2nm工場は新竹に置く構えだ。

 このほかTSMCは、6nm製造プロセスの導入計画も同時推進中。間もなく量産態勢に移行する。性能強化版の7nmと比べ、回路の集積度を18%高める予定だ。世界最先端の7nm製造プロセスでフル稼働の状況が続くなか、新たな生産ラインの立ち上げを通じ、加工需要を分散化する戦略を定めている。TSMCの7nm工程は、台中科学園区の工場「Fab 15」で18年第2四半期に量産態勢入りした。

 大手顧客のうち、少なくとも5社がTSMCの5nmプロセスを採用する。アップル、海思半導体、クアルコムのほか、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD/NASDAQ)、北京比特大陸科技(Bitmain)、ザイリンクス (XLNX/NYSE)が導入を決めた。


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