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  ニュース     2019/12/23 18:59

アルゼンチン携帯市場で中国勢躍進、中興や聯想が「一帯一路」攻勢 無料記事

 南米アルゼンチンの携帯電話市場で中国メーカー勢がプレゼンスを高めている。すでに中興通訊(ZTE:763/HK)や聯想集団(レノボ・グループ:992/HK)などが数年前に参入した。聯想傘下に入ったモトローラは、15年に10%だった現地シェアを足もとで40%超までに拡大。2015年時点で現地シェア6割超を握っていた韓国サムスン電子の独占体制を突き崩している。21世紀経済報道が20日付で伝えた。
 工業品の国内製造を奨励する輸入代替政策が採られるアルゼンチンでは、現地販売の携帯電話ブランドが足もとで10種にとどまる状況。米アップルでさえ現地市場の直接展開を断念した。自国産業保護を目的に同国政府は、国内販売される携帯電話端末について、南米最南端の税特別区「フエゴ島」内での最終組み立てを強制する製造業復興策をとっている。
 こうしたなか、中国勢は現地化戦略を推進してアルゼンチン市場で存在感を増している。中興は現地支社を設立。フエゴ島に組立工場を建設した。聯想もトゥクマン州とフエゴ島に工場を整備。14年に買収したモトローラを通じ、アルゼンチンの現地経営資源も取り込んだ。モトローラは早い段階でアルゼンチンに投資。2G、CDMA、TDMA、3Gの技術投資や、スマートフォン(スマホ)端末生産に取り組んできた。
 中国企業にとってアルゼンチンは、地理的に最も遠い国であるにもかかわらず、重要な貿易相手国となっている。18年1月に開催されたラテンアメリカ共同体(構成国は33か国)閣僚会議で、「中国の巨大経済圏構想『一帯一路』枠組みの下、『太平洋海上シルクロード』建設を推進する」との合意文書が締結されたことが追い風。アルゼンチンと中国の関係緊密化を推進中だ。すでに中国はアルゼンチンにとって第2の貿易パートナーに躍進している。
 調査会社カウンターポイントが発表した南米全体(アルゼンチン含む)の18年携帯端末出荷シェアは、サムスンが36.36%で首位。これに続くモトローラは、17年の11.6%から12.8%にシェアを高めた。3位の華為は現地出荷51%増で過去最多を更新。シェア11.6%を確保している。ただ、南米で飛躍的な成長を遂げているものの、華為は18年第3四半期にアルゼンチンから撤退。現在はアルゼンチンに工場を持っていない。ブラジルにも未参入だ。


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