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  ニュース     2020/09/11 18:59

中国当局が映画「ムーラン」関連報道を禁止か、新疆巡る批判受け 無料記事

【亜州ビジネス編集部】 中国映画館で11日に封切られるウォルト・ディズニー新作映画「ムーラン」(中国語:花木蘭)に関し、中国政府がこのほど、関連報道の禁止を国内主要メディアに指示したもようだ。外電が10日、複数の消息筋情報として伝えたもの。各通知には禁止理由が記載されていなかったものの、一部シーンが新疆ウイグル自治区で撮影されたことが判明し、中国外ソーシャルメディアで映画と新疆との関係を巡る批判が広がったことを受けた措置とみられる。
 今月4日から動画ストリーミングサービス「Disney+」で配信されている「ムーラン」を巡っては、人権団体などから非難の声が上がっていた。新疆のイスラム系少数民族を対象とした人権侵害問題(大勢の恣意的拘留、身体的虐待など)を理由に米政府が中国の関係者・団体に制裁を科しているにもかかわらず、エンドロールで同自治区の政府機関(新疆の中国共産党宣伝部、トルファン市公安など)が表示されたためという。
 これに先立ち、主演女優の劉亦菲(リウ・イーフェイ)氏が昨年、香港デモに対する警察の取り締まりを支持する発言を投稿したことで、香港、台湾、タイなどの民主活動家を中心に一部消費者から映画をボイコットする動きがソーシャルメディアで出ていた。複数の米メディアによると、一部シーンが新疆で撮影されたことが明らかになった後、こうした動きに拍車がかかっているという。
 一方、ディズニーのクリスティン・マッカーシー最高財務責任者(CFO)は9日、「ムーラン」の米国内視聴状況について「非常に満足」と述べた。撮影地や人権問題を巡る批判に対しては、「本当の真実は、『ムーラン』が主にニュージーランドで撮影されたということだ。これに加え、中国独自の風景などを正確に描写するため、中国の異なる場所20エリアでも撮影している。中国で撮影するために、政府の許可を得ることは常識だ。エンドクレジットで撮影を許可した国・地方政府を明示することも、世界で一般的な慣行だ」と釈明している。そのうえで、「この話はここまでにしておくが、われわれにとって複数の課題が明らかになった」とコメントした。


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