詳細
検索
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

  ニュース     2020/09/11 18:59

中国:コロナ禍で「代理出産依頼」急増、1〜4月で19年の7割 無料記事

 中国で「代理出産」を利用する人が増えている。法律で認められていないにもかかわらず、一定の需要と供給があるだけに、「地下市場」として巨大な利益が存在しているという。2020年に入ってからは、コロナ禍で海外の代理出産事業者に依頼できなくなった顧客が国内事業者を利用し始めた。依頼は増加する傾向にある。9日付澎拜新聞が伝えた。
 同紙が20年8月末までに、広東省広州市や深センなどで複数の事業者に調査したところ、4月以降の依頼が目に見えて増加。ある事業者は1〜4月にかけた依頼件数が400件を超え、既に19年通年の7割水準に達したという。海外の代理出産事業者に当初依頼するはずだった顧客が、コロナ禍で国内事業者に切り替えたのが主因だ。中国で代理出産を手がける事業者は「代理出産の海外仲介」とうたっておきながら、国内で自ら代理出産業を行っているところがほとんどだという。
 業界内でも価格競争や顧客の取り合いが起きており、代理出産を請け負う女性への手数料も1万〜2万人民元(約15万5300〜31万600円)値上がりしている。需要に応えるため、代理出産を請け負う女性の募集も盛んになった。代理出産は性別の産み分け、1人または双子なども選べる。事業者にもよるが、「2〜3年以内に健康な男児を提供」とし、概ね58万〜88万人民元が相場のようだ。一つの潜在利用客として、まとまった需要が見込める層は同性愛者のカップルで、年々依頼者が増えているという。
 ただ、代理出産をめぐっては、偽装結婚による出産証明の詐取や子供の障害の隠蔽、卵子の取り替えなど、様々な問題が潜んでいる。20年5月には、湖南省で代理出産事業者から子供を受け取った夫婦が「健康だと言われたのに聴力に障害があった」として事業者に返金を求める騒ぎが起きた。公序良俗などを理由に契約自体が無効とされ、裁判所によってこの訴えは棄却されている。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース