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  ニュース     2020/04/09 18:59

不良債権比率は大幅上昇せず、中国当局ルール緩和で=S&P 無料記事

 新型コロナウイルス流行で経済にダメージが出る中にあっても、中国の不良債権比率が大幅に悪化する可能性は低いとの見方が浮上している。米格付け会社S&Pグローバル・レーティングスは最新リポートで、中国当局発表の同比率は2020年に2.2%になると予想。19年末の当局発表値(1.86%)から小幅な上昇にとどまるとみている。特殊な環境の中で、当局が不良債権関連の規定を緩和するとみられるため。返済期限を90日過ぎた債権について、不良債権ではなく、「関注類(注目先)」融資として扱うことを認めると分析した。香港メディアが9日伝えた。

 中国の商業銀行は、融資先の返済能力に基づいて債権を「正常類(正常先)」「関注類」「次級類(要注意先)」「可疑類(破たん懸念先)」「損失類(破たん先)」の5段階に分類。うち「次級」「可疑」「損失」が不良債権と位置付けられている。「関注類」は“不良債権の予備軍”の扱いだ。

 S&Pによると、不良債権規定の緩和は新型コロナ流行による経済への影響を緩和するための重要な金融政策手段の一つ。返済期限の猶予、支払利息の減額などを促す措置だ。また、不良債権が増えれば、銀行は引当金を積み増す必要があり、信用コストの増大にもつながる。信用コストが増えれば銀行の利益が圧迫され、融資能力の低下につながることが懸念されるため、実体経済への融資を確保するためにも規定が緩和される見込み。

 なお、S&Pの試算によれば、猶予債権(Forbearance)も含めた場合の不良債権比率は20年に7.25%に上昇する見込み。これは新型コロナ発生前の予想値(5.23%)を2.02ポイント上回る数字となる。


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