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  ニュース     2019/12/16 18:59

中国:20年施行の「外商投資法」明確化、国務院が実施条例承認 無料記事

 中国国務院は12日の常務会議で、「外商投資法実施条例」の草案を承認した。2020年1月1日に施行予定の「外商投資法」と同時に実施される。「外商投資法」は「外資三法」に替わって外資による投資を管理するための統一法案で、今年3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で可決されたもの。今回承認された実施条例は、「外商投資法」の関連条文を明確、または具体的に規定した内容となっている。

 例えば可決済みの「外商投資法」では、外国企業に国内企業と平等の待遇を付与する方針が盛り込まれたが、これについて実施条例は、平等待遇が土地供給や税金・費用減免、資格許認可などにわたると規定している。また、実施条例では「外商投資企業」の投資家の範囲について、「中国の自然人」も含まれると明示された。現行法では、原則として「外商投資企業」の中国投資家に自然人が含まれないとされていたが、新法施行後は外国投資家と中国自然人が共同で出資することが可能となる。

 全人代で可決された「外商投資法」は、2015年1月に発表された「外国投資法」の草案に比べ、外資による投資を促進・保護することにより重点が置かれた内容となっている。外国企業に対する技術移転の強要を禁止するほか、外国企業の知的財産権を保護することや、国内企業と平等の待遇を付与することなどが盛り込まれた。また、「ネガティブリスト制度」で除外されている分野を除き、外資による投資に「内国民待遇」を付与することを保証。外資が政府調達に平等に参加できること、外資が株式や債券などの公開発行を通じて資金調達を行うことなども認めた。

 さらに、外資の知的財産権の保護を強化する方針も明文化された。また、地方政府などが外資の市場参入を制限したり、行政手段を用いて技術移転を強要したりすることを禁止する。ただ、自主的で商業ルールに基づいた技術協力は奨励するとの文言も付け加えられた。

 外資による中国投資に関しては現在、「外資三法」と呼ばれる「外資企業法」「中外合弁経営企業法」「中外合作経営企業法」に基づいて監督・管理が実施されている。ただ、外資による投資の増加や多様化などを受け、関連規定見直しの必要性が高まっていた。そうした中、商務部は15年1月、「外資三法」の統一法案となる「外国投資法」の草案を発表。ただその後、同法案が全人代常務委員会に提出されることはなく、審議が進んでいなかった。


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