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  ニュース     2020/08/25 18:59

ICファウンドリ世界最大手TSMC、市場シェア53.9%に拡大へ 無料記事

【亜州ビジネス編集部】 世界のICファウンドリ(受託生産)業界で先頭集団が存在感を一段と増強している。売上高上位10社のうち台湾勢は4社、中国勢と韓国勢は2社ずつ米国勢とイスラエル勢は1社ずつを占めた。今年7〜9月にかけた第3四半期の売上高は、これら大手10社で前年同期比14%増の合計202億4100万米ドル(約2兆1500億円)に達する見通し。市場全体に占める売上高シェアは、10社合算で96.1%にまで高まるだろう。集邦諮詢傘下の拓ボク産業研究院が25日に報告した。 
 最大手の台湾積体電路製造(TSMC:2330/TW)は、第3四半期の売上高が21%増の113億5000万米ドルに上る見込み。世界シェアは53.9%(前四半期比↑2.4ポイント)に上昇すると分析した。5G通信チップ、CPU、GPUの増産が進んでいる。回路線幅7ナノメートル(nm)の超微細加工プロセスが主流となるなか、フル稼働が持続すると想定した。今年第3四半期には、さらに先端の5nmで生産を開始する。第3四半期には、売上高に占める5nmの比率が16%に上ると予測した。米中貿易・技術摩擦の影響で華為技術有限公司向けは停滞したものの、AMD、聯発科技(MediaTek:2454/TW)、エヌビディア、クアルコムからは高水準の受注を確保している。 
 業界2位のサムスン電子は、売上高が4%増の36億6500万米ドル(世界シェア17.4%)にとどまると予測した。
 3位の米グローバルファウンドリーズ(GF)は苦戦。売上高は3%減の14億8400万米ドル(世界シェア7.0%)に低迷する見通しだ。車載半導体チップの加工需要が伸び悩んでいる。事業の見直しに着手し、2019年に8インチウェーハ対応工場と12インチウェーハ対応工場を譲渡したことも響いた。
 4位の台湾・聯華電子(UMC:2303/TW)は23%増の14億8200万米ドル(世界シェア7.0%)を売り上げると予測した。ディスプレイ・ドライバIC(DDIC)とパワーマネジメントIC(PMIC)の生産需要が拡大している。8インチウェーハ対応工場のフル稼働は21年まで持続する見込み。一部の加工プロセスでは値上げが浸透するとみられている。
 一方、中国勢は中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が5位、華虹半導体(1347/HK)が9位にそれぞれ食い込んだ。第3四半期の売上高は、中芯が16%増の9億4800万米ドル、華虹が1%減の2億3600米ドルを想定する。世界シェアは4.5%、1.1%となる計算だ。中芯は回路線幅14/28nm以上の加工プロセスが多くを占めている。
 このほか6位のイスラエル・タワージャズで3%増の3億2000万米ドル(世界シェア1.5%)、7位の台湾力積電(PSC)で26%増の2億8900万米ドル(世界シェア1.4%)、8位の台湾世界先進(VIS)で21%増の2億7600万米ドル(世界シェア1.3%)、10位の韓国東部高科(DB HiTek)で2%増の1億9100万米ドル(世界シェア0.9%)を予想した。


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