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  ニュース     2020/08/25 18:59

中国:南京市でマダニ被害急増、7月以来で5人が重症化 無料記事

 江蘇省南京市では昨年冬から現在までにマダニに刺されて重症化したケースが30件近くに上り、専門家が注意を呼び掛けている。今年7月以降だけでも重症例5件が確認されている状況だ。医療関係者によると、マダニに刺されると、軽症者で発熱、重症者では血小板が急激に減少し、心筋炎や脳炎、肺出血などを発症する。
 また、マダニを介して「新型ブニヤウイルス(new bunyavirus)」に感染する可能性もある。新型ブニヤウイルスはマダニにかまれることで、重症熱性血小板減少症候群(SFTS:症状は白血球の減少や体内の出血など)を起こす。SFTSの治療は対症療法のみで、有効な治療薬やワクチンはなく、命に関わる危険性もあるという。
 南京市第二医院重症医学科の鄭以山・副主任は「今年は例年になく、重症患者が大幅に増加している」との認識を示した。同病院では7月以降、5人の重症患者を受け入れている。幸い5人とも助かったが、うち3人はまだ集中治療室(ICU)で治療を受けている。
 マダニは日陰や湿気を好み、山間部や丘陵地帯で繁殖・生息している。毎年6〜10月にかけて、マダニの活動が活発になる。江蘇省疾病予防管理センターの調査によれば、同省内では南京市リツ水区、無錫市宜興、淮安市クイ県、塩城市東台などの地域がマダニの生息密度が比較的高いとされる。
 前出の鄭副主任は、山間部や草が生い茂った場所に出かける際は、皮膚を露出しないように気を付け、マダニにかまれた場合は速やかに治療を受けるよう注意喚起している。


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