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  ニュース     2019/11/19 18:59

スパコン性能TOP500、中国は台数ベースで2年連続世界首位 無料記事

 世界のスーパーコンピュータ(スパコン)計算速度ランキング「2019年11月版TOP500」で、中国は台数ベース世界トップの座を2年間にわたって保持した。世界性能上位500機種のうち、中国製スパコンの総数は半年前の219台から今回の228台に4.6%増加。計算能力全体に占める比率は32.3%にまで高まった。計算能力全体に占める米国機種比率との差は、半年前の8.5ポイントから今回の4.8ポイントにまで縮小している。18日の国際スパコン会議で報告された。
 中国は17年11月以来、5回連続で台数ベースの世界最多の地位にある。中国TOPの「神威太湖之光(Sunway Taihu Light)」は、前回と同様の世界3位(93.0146ペタFLOPSで毎秒9京146兆回)。国家並列計算機工程技術研究センター(NRCPC)が開発した高性能CPU「SW26010」を採用。NRCPCが構築し、国家超級計算無錫センターに設置された。「天河二号(Tianhe-2)」も前回と同様の世界4位(33.8627ペタFLOPS)となっている。中国人民解放軍国防科学技術大学(NUDT)が研究・開発。天河二号は国家超級計算広州センターで運用された。
 ランキング上位機種の中国メーカーは、今回も聯想集団(Lenovo:992/HK)、曙光信息産業(中科曙光:603019/SH)、浪潮集団(Inspur)など。
 一方、世界最高は米エネルギー省傘下のオークリッジ国立研究所が運用する「Summit」。毎秒当たりの計算速度は今回も148.600ペタFLOPSに達した。世界2位はローレンスリバモア国立研究所の「Sierra」。前回と同様の94.640ペタFLOPSに上る。
 米国と中国の世界2強は、毎秒100京回の次世代「エクサ級スパコン」を開発中。米国では2021〜23年にかけて、「Aurora」「Frontier」「Shasta」の3台を設置する計画だ。中国はNUDT「天河三号」の原型システムを18年7月に完成。応用分野に活用し始めた。20年の完成を見込む。このほかNRCPC「神威」も原型システムが完成。中科曙光も原型システムを納入した。
 日本のスパコン上位は世界8位(産業技術総合研究所のABCI)、15位(東京大学と筑波大学の共同運用機Oakforest-PACS)、23位(東京工業大学のTSUBAME3.0)、33位(気象庁)、34位(気象庁)、45位(九州大学のITO)、50位(東京大学のOakbridge-CX)など。前回20位の理化学研究所「京」は退役した。
 「High-Performance Linpack」(HPL)ベンチマークに準拠し、国際スパコン会議は世界上位機種の性能を評価。ランキングは1993年から公表されてきた。


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